25AM66|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
心不全について正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
心不全の病態を問う問題です。
解説
心不全は、心臓のポンプ機能が低下して、全身が必要とする血液を送り出せなくなった状態です。したがって、その本質的な変化は心拍出量の低下であり、これが正答です。心拍出量が低下すると、易疲労、労作時の息切れ、四肢の冷感、尿量の減少といった低灌流の症状が現れます。あわせて、これを補おうとして交感神経とレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系が活性化され、頻脈と体液の貯留が生じます。
左心不全では下肢の浮腫は顕著であるという記述は誤りです。左心不全では、左心室の手前にあたる肺に血液がうっ滞するため、肺うっ血の症状(労作時呼吸困難、起坐呼吸、発作性夜間呼吸困難、湿性ラ音、ピンク色の泡沫状痰)が中心となります。下肢の浮腫が顕著になるのは、全身の静脈系にうっ血が生じる右心不全です(頸静脈怒張、肝腫大、腹水、下腿浮腫)。
左心不全では臥位で症状が軽快するという記述も誤りです。臥位になると下肢から心臓へ戻る静脈血が増え、肺うっ血が悪化します。したがって左心不全では臥位で症状が増悪し、上体を起こすと楽になる起坐呼吸を呈します。夜間に突然の呼吸困難で目覚める発作性夜間呼吸困難も同じ機序によります。
血中ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値が低下するという記述も誤りです。BNPは心室の心筋が伸展されたときに分泌されるホルモンであるため、心不全では上昇します。心不全の診断、重症度の評価、治療効果の判定、予後の予測に広く用いられる、最も有用な血液検査項目です。
選択肢の確認
1.左心不全では下肢の浮腫は顕著である。
誤り。下肢の浮腫は右心不全の所見です。
2.左心不全では臥位で症状が軽快する。
誤り。臥位で増悪し、起坐呼吸を呈します。
3.心拍出量が低下する。
正しい。心不全の本質的な変化です。
4.血中ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値が低下する。
誤り。心室の伸展により上昇します。
覚えるポイント
- 心不全=心拍出量の低下。低灌流の症状と、うっ血の症状が現れる。
- 左心不全=肺うっ血。労作時呼吸困難、起坐呼吸、発作性夜間呼吸困難、湿性ラ音。
- 右心不全=全身のうっ血。頸静脈怒張、肝腫大、腹水、下腿浮腫。
- BNPは心不全で上昇。診断と重症度、予後の評価に有用。