25AM69|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
痔瘻を合併しやすいのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
炎症性腸疾患の特徴を区別する問題です。
解説
クローン病は、口から肛門までの全消化管に、非連続性(飛び石状)の炎症を起こしうる原因不明の慢性疾患です。好発部位は回腸末端で、若年者に多く発症します。
炎症が腸管の全層に及ぶ(全層性炎症)ことが最大の特徴で、そのために瘻孔、狭窄、膿瘍といった合併症を生じやすくなります。特に痔瘻をはじめとする肛門部の病変は高頻度にみられ、クローン病の初発症状となることもあります。したがってこれが正答です。ほかに、縦走潰瘍と敷石像、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が特徴的な所見です。
潰瘍性大腸炎は、大腸のみを侵し、直腸から連続性に口側へ広がる疾患です。炎症は粘膜と粘膜下層にとどまるため、瘻孔や狭窄は生じにくく、痔瘻の合併も少なくなります。主症状は粘血便、下痢、腹痛、しぶり腹(テネスムス)です。長期に経過すると大腸癌の危険が高まります。
この「全層性で非連続性、全消化管、瘻孔と痔瘻を生じやすいのがクローン病」「粘膜主体で連続性、大腸のみ、粘血便が主体なのが潰瘍性大腸炎」という対比が、両者を区別する要点です。
過敏性腸症候群は、器質的な異常がないのに腹痛と便通異常が続く機能性の疾患です。炎症を伴わないため、痔瘻を合併することはありません。
急性細菌性腸炎は、細菌感染による急性の腸炎で、下痢、腹痛、発熱をきたします。通常は数日から1週間程度で改善する急性の経過をとり、痔瘻を合併する疾患ではありません。
選択肢の確認
1.過敏性腸症候群
誤り。器質的異常のない機能性疾患です。
2.急性細菌性腸炎
誤り。急性の経過をとる感染性の腸炎です。
3.潰瘍性大腸炎
誤り。粘膜主体の炎症であり、痔瘻の合併は少なくなります。
4.クローン病
正しい。全層性の炎症により瘻孔と痔瘻を生じやすくなります。
覚えるポイント
- クローン病=全消化管、非連続性(飛び石状)、全層性、回腸末端に好発。瘻孔、狭窄、痔瘻。
- 所見=縦走潰瘍と敷石像、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫。
- 潰瘍性大腸炎=大腸のみ、直腸から連続性、粘膜主体。粘血便、しぶり腹。
- 潰瘍性大腸炎は長期経過で大腸癌の危険が高まる。いずれも指定難病。