25AM76|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「7歳の女児。主訴は歩行異常。トレンデレンブルグ徴候がみられた。」本症例で筋力低下をきたした筋の主な運動はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
トレンデレンブルグ徴候で筋力低下をきたしている筋の作用を問う問題です。
解説
トレンデレンブルグ徴候の原因となるのは、中殿筋(および小殿筋)の筋力低下です。
中殿筋は、腸骨の外面(前殿筋線と後殿筋線の間)から起こり、大腿骨の大転子に停止する筋で、上殿神経に支配されます。その主な作用は股関節の外転です。したがってこれが正答です。あわせて、前部線維は内旋に、後部線維は外旋に働きます。
歩行における役割が特に重要です。片脚立ちの相(立脚期)では、支えている側の中殿筋が収縮することで、反対側の骨盤が下がるのを防ぎ、骨盤を水平に保ちます。この働きが失われると、遊脚側の骨盤が下がってしまい、これがトレンデレンブルグ徴候です。歩行では、体幹を患側へ傾けて重心を移動させることで代償する**トレンデレンブルグ歩行(動揺性歩行)**となります。両側に生じるとアヒルのように左右に揺れる歩行になります。
罹患関節の伸展は、股関節では大殿筋とハムストリングの作用です。大殿筋は下殿神経に支配されます。
罹患関節を屈曲しながらの外転は、縫工筋や大腿筋膜張筋の複合的な作用に近いものですが、中殿筋の主作用を表すものではありません。中殿筋の作用は、屈曲を伴わない純粋な外転です。
罹患関節の内旋は、中殿筋の前部線維や小殿筋も関与しますが、主な作用ではありません。中殿筋の主作用はあくまで外転です。
治療としては、中殿筋の筋力強化訓練(側臥位での股関節外転運動など)が中心となり、あわせて杖の使用(健側の手に持つ)によって患側の負担を減らします。局所への施術としては、中殿筋の上にある居髎や環跳が用いられます。
選択肢の確認
1.罹患関節の伸展
誤り。股関節の伸展は大殿筋とハムストリングの作用です。
2.罹患関節を屈曲しながらの外転
誤り。縫工筋などの複合的な作用に近いものです。
3.罹患関節の内旋
誤り。前部線維が関与しますが、主作用ではありません。
4.罹患関節の外転
正しい。中殿筋の主作用であり、歩行時に骨盤を水平に保ちます。
覚えるポイント
- 中殿筋=腸骨外面から大転子へ。上殿神経支配。主作用は股関節の外転。
- 歩行では立脚期に骨盤を水平に保つ。失われるとトレンデレンブルグ徴候。
- 代償として体幹を患側へ傾けるのがトレンデレンブルグ歩行(動揺性歩行)。
- 対応=中殿筋の筋力強化、杖は健側の手に持つ。局所穴は居髎、環跳。