25AM77|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「78歳の男性。手がふるえ、動作が緩慢で、表情がなく、前かがみになりやすく、筋肉がこわばる。」本症例でみられる症状と所見の組合せで正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
4
この問題のポイント
パーキンソン病の症状と、その医学用語を対応させる問題です。
78歳男性、手のふるえ、動作が緩慢、表情がない、前かがみ、筋肉がこわばるという所見から判断します。
解説
これらの所見はいずれもパーキンソン病の典型的な症状です。
筋肉がこわばるという訴えは、固縮(筋強剛)にあたります。したがってこの組合せが正しく、正答です。固縮とは、四肢を他動的に動かしたときに、運動の最初から最後まで一様な抵抗が持続する状態で、鉛の管を曲げるような感触にたとえて鉛管様固縮と呼ばれます。これに小刻みなカクカクとした抵抗が加わるものが歯車様固縮です。大脳基底核の障害を示す所見です。
手がふるえる-企図振戦の組合せは誤りです。パーキンソン病のふるえは、何もしていないときに現れて動作を始めると軽減する安静時振戦です。母指と示指を擦り合わせるような丸薬丸め様振戦が特徴的です。企図振戦は、目標に近づくにつれて震えが強まるもので、小脳の障害を示します。両者は正反対の性質をもちます。
表情がない-満月様顔貌の組合せも誤りです。表情が乏しくまばたきが少ない状態は仮面様顔貌と呼ばれ、パーキンソン病の特徴です。**満月様顔貌(ムーンフェイス)**は、顔が丸くふくらむ所見で、クッシング症候群やステロイド薬の長期使用でみられます。
前かがみになる-起坐位の組合せも誤りです。パーキンソン病でみられるのは前傾(前屈)姿勢で、体幹が前に傾き、肘と膝が軽く曲がった姿勢です。起坐位は、仰臥位では呼吸が苦しく上体を起こすと楽になる姿勢で、**左心不全(肺うっ血)**や気管支喘息の発作でみられます。
選択肢の確認
1.手がふるえる-企図振戦
誤り。パーキンソン病のふるえは安静時振戦です。
2.表情がない-満月様顔貌
誤り。仮面様顔貌です。満月様顔貌はクッシング症候群です。
3.前かがみになる-起坐位
誤り。前傾姿勢です。起坐位は左心不全などでみられます。
4.筋肉がこわばる-固縮
正しい。鉛管様または歯車様の固縮で、大脳基底核の障害を示します。
覚えるポイント
- パーキンソン病の四大徴候=安静時振戦、筋強剛(固縮)、無動・寡動、姿勢反射障害。
- 固縮=大脳基底核(鉛管様、歯車様)。痙縮=錐体路(折りたたみナイフ現象)。
- 安静時振戦(丸薬丸め様)=パーキンソン病。企図振戦=小脳。
- 仮面様顔貌=パーキンソン病。満月様顔貌=クッシング症候群。起坐位=左心不全。