25AM80|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「45歳の男性。最近、心窩部から背中の皮膚にかけて痛みが起きる。胸やけ、食欲不振もある。上部消化管内視鏡検査では、胃角部に潰瘍を認め、ヘリコバクター・ピロリの感染を疑った。」ヘリコバクター・ピロリの検査はどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
ヘリコバクター・ピロリの検査法を問う問題です。
解説
尿素呼気検査は、ヘリコバクター・ピロリの感染を調べる代表的な検査です。原理は次のとおりです。ピロリ菌はウレアーゼという酵素をもち、尿素を分解してアンモニアと二酸化炭素を産生します(このアンモニアで胃酸を中和して自らを守っています)。そこで、標識した尿素を服用させ、その後の呼気に含まれる標識された二酸化炭素を測定することで、感染の有無を判定します。
非侵襲的で精度が高く、除菌後の判定にも用いられるため、最も広く行われている検査です。したがってこれが正答です。ほかの検査法としては、内視鏡を用いるもの(迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法)と、用いないもの(尿素呼気検査、血中と尿中の抗体測定、便中抗原測定)があります。
胃液測定は、胃酸の分泌能を調べる検査です。かつては消化性潰瘍の病態評価に用いられましたが、ピロリ菌の感染を直接調べる検査ではありません。
尿沈渣検査は、尿を遠心して沈殿した成分(赤血球、白血球、円柱、結晶、細菌)を顕微鏡で観察する検査です。腎と尿路の疾患の評価に用いるもので、ピロリ菌の検査ではありません。
血清ペプシノーゲン測定は、胃粘膜の萎縮の程度を評価する検査です。ペプシノーゲンIとIIの比が低下することで萎縮性胃炎を推定でき、**胃癌のリスク評価(ABC分類)**に用いられます。ピロリ菌抗体の測定と組み合わせて胃癌検診に応用されますが、ピロリ菌そのものを検出する検査ではありません。
ヘリコバクター・ピロリは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、胃癌、MALTリンパ腫の原因となるため、感染が確認されれば除菌療法(2種類の抗菌薬とプロトンポンプ阻害薬の3剤併用)が行われます。
選択肢の確認
1.尿素呼気検査
正しい。ウレアーゼ活性を利用した非侵襲的で精度の高い検査です。
2.胃液測定
誤り。胃酸の分泌能を調べる検査です。
3.尿沈渣検査
誤り。腎と尿路の疾患の評価に用います。
4.血清ペプシノーゲン測定
誤り。胃粘膜の萎縮の程度を評価する検査です。
覚えるポイント
- 尿素呼気検査=ピロリ菌のウレアーゼ活性を利用。非侵襲的で除菌後の判定にも用いる。
- 他の検査=迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法(内視鏡)、抗体測定、便中抗原。
- ピロリ菌=胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、胃癌、MALTリンパ腫の原因。
- 血清ペプシノーゲン=胃粘膜の萎縮の指標。胃癌のリスク評価(ABC分類)に用いる。