25PM100|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「31歳の女性。主訴は頭痛と肩こり。月経は不定期で月経時に頭痛が増悪し、下腹部痛も出現する。月経血に血塊がみられ、舌下静脈の怒張もみられる。」本患者の痛みの特徴はどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
血瘀の病証を読み取り、その痛みの特徴を答える問題です。
31歳女性、頭痛と肩こり、月経不定期、月経時に頭痛が増悪、下腹部痛、月経血に血塊、舌下静脈の怒張という所見を統合します。
解説
決め手となるのは、月経血に血塊がみられることと、舌下静脈の怒張です。いずれも血の流れが滞っていることを示す血瘀の典型的な所見です。
血瘀による痛みは、刺痛(針で刺されるような鋭い痛み)であり、次の三つの特徴をもちます。部位が固定して移動しない、押さえると痛みが強まる(拒按)、そして夜間に増悪することです。夜間に強まるのは、夜は陰の時間であり、陽気が内に収まって血の巡りがいっそう滞るためと説明されます。したがって「夜間に痛みが増悪する」が正しく、正答です。治療では活血化瘀を図り、膈兪(血会)、血海、三陰交、太衝、次髎などを用い、刺絡が用いられることもあります。
だるい感じの痛みが現れるという記述は、酸痛の特徴です。酸痛は、だるく重い痛みで力が抜けるような感覚を伴い、気血の不足、腎虚、湿邪によって生じます。血瘀の痛みではありません。
冷やすと疼痛が軽減するという記述は、熱証の痛み(灼痛)の特徴です。血瘀では、むしろ温めることで血の巡りが改善して軽減する傾向があります(寒凝血瘀の場合は特にそうです)。
痛む部位が移動するという記述は、気滞または風邪による痛みの特徴です。気滞では脹痛が部位を変え、風邪による痺証は行痺として痛みの場所が移動します。血瘀の痛みは固定するのが特徴であり、正反対です。
痛みの性質をまとめます。刺痛=血瘀(固定、拒按、夜間増悪)、脹痛=気滞(移動、情志で変動)、隠痛=虚証(喜按)、酸痛=気血不足・腎虚・湿、重痛=湿、灼痛=熱、冷痛=寒(温めると軽減)です。
選択肢の確認
1.夜間に痛みが増悪する。
正しい。血瘀による刺痛の特徴です。
2.だるい感じの痛みが現れる。
誤り。酸痛の特徴で、気血不足や湿邪によります。
3.冷やすと疼痛が軽減する。
誤り。熱証の痛みの特徴です。血瘀は温めると軽減します。
4.痛む部位が移動する。
誤り。気滞や風邪の特徴です。血瘀の痛みは固定します。
覚えるポイント
- 血瘀=刺痛(固定、拒按、夜間増悪)、血塊、舌質紫暗と瘀点、舌下静脈の怒張、濇脈、小腹急結。
- 治療=活血化瘀(膈兪(血会)、血海、三陰交、太衝、次髎)。刺絡が用いられることもある。
- 脹痛=気滞(移動、情志で変動)、酸痛=気血不足・腎虚・湿。
- 喜按は虚、拒按は実。温めて楽なら寒、冷やして楽なら熱。