25PM99|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
難経六十九難により腎虚の補法を行う選穴部位はどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
4
この問題のポイント
難経六十九難の原則に基づき、腎虚証の補法に用いる経穴の部位を選ぶ問題です。
解説
六十九難の原則は「虚すればその母を補う」です。
腎は五行で水に属し、水を生じる母は金です。したがって腎虚証では、金に配当される穴、すなわち経金穴を補います。具体的には、自経である腎経の経金穴である復溜と、母経である肺経の経金穴である経渠を補います。
選択肢の部位を経穴名に直します。
太渓の上方2寸で、アキレス腱と長趾屈筋との間は復溜です。腎経の経金穴であり、腎虚証で母(金)を補う穴にあたります。したがってこれが正答です。復溜は下腿後内側、アキレス腱の前縁、内果尖の上方2寸に取ります。なお、同じ高さで前方0.5寸には交信(陰蹻脈の郄穴)があります。
上腕二頭筋腱外方の陥凹部、肘窩横紋上は尺沢で、手の太陰肺経の合水穴です。肺経ではありますが、五行は水であり、金穴ではありません。
手関節前面横紋上で、橈骨動脈拍動部は太淵で、肺経の兪土穴(原穴)であり、八会穴の脈会でもあります。土に配当されるため、肺虚証で母(土)を補う際に用いる穴です。腎虚証ではありません。
足内側、舟状骨粗面の下方、赤白肉際は然谷で、腎経の滎火穴です。腎経ではありますが、火に配当されるため、母(金)を補うという原則には合いません。
六十九難による各証の選穴をまとめます。肺虚証=太淵と太白(兪土穴)、脾虚証=大都と少府(滎火穴)、心虚証=少衝と大敦(井木穴)、肝虚証=曲泉と陰谷(合水穴)、腎虚証=**復溜と経渠(経金穴)**です。
選択肢の確認
1.上腕二頭筋腱外方の陥凹部、肘窩横紋上
誤り。尺沢であり、肺経の合水穴です。
2.手関節前面横紋上で、橈骨動脈拍動部
誤り。太淵であり、肺経の兪土穴です。
3.足内側、舟状骨粗面の下方、赤白肉際
誤り。然谷であり、腎経の滎火穴です。
4.太渓の上方2寸で、アキレス腱と長指屈筋との間
正しい。復溜であり、腎経の経金穴です。
覚えるポイント
- 六十九難=虚すれば母を補い、実すれば子を瀉す。
- 腎虚証=**復溜(腎経の経金穴)と経渠(肺経の経金穴)**を補う。
- 腎経の五行穴=湧泉(井木)、然谷(滎火)、太渓(兪土・原穴)、復溜(経金)、陰谷(合水)。
- 復溜=内果尖の上2寸、アキレス腱の前縁。交信はその前方0.5寸(陰蹻脈の郄穴)。