25PM117第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第25回午後(科目未分類)

次の文で示す患者の病証で最も適切なのはどれか。「82歳の女性。主訴は腰痛。頻尿があり、くしゃみなどで失禁することがある。」

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

腎の病証を細かく弁別する問題です。

82歳女性、腰痛頻尿くしゃみなどで失禁するという所見を統合します。

解説

決め手となるのは、頻尿くしゃみで失禁するという所見です。

腎には固摂(こせつ)という、体内の物質や排泄をつなぎとめる働きがあります。この働きが弱まった状態を腎気不固といい、頻尿、夜間尿、尿失禁、尿がぽたぽた漏れる、遺精、帯下、流早産といった、「漏れる、とどめられない」症状として現れます。あわせて、腎の府である腰の症状(腰と膝のだるさ)を伴います。

この症例では、頻尿と、腹圧がかかったときに漏れる失禁がみられ、まさに固摂の失調を示しています。したがって腎気不固が正答です。治療では補腎固摂を図り、腎兪、命門、関元、気海、太渓、三陰交などに補法を行い、灸が有用です。あわせて骨盤底筋の訓練も行われます。

腎陽虚は、腎の陽気(温める働き)が不足した状態で、冷え(特に腰と下肢)、寒がる、顔色が白い、下痢(五更泄瀉)、浮腫、性機能の低下が中心となります。この症例には冷えの記載がなく、また失禁を最もよく説明するのは固摂の失調です。

腎精不足は、腎に蓄えられた精が不足した状態で、小児では成長と発育の遅れ、成人では早老、脱毛、白髪、歯の動揺、耳鳴りと難聴、健忘、動作の緩慢が中心となります。この症例の排尿症状を主に説明するものではありません。

腎不納気は、腎が気を納める働きを失った状態で、呼吸困難、特に息を吸い込みにくい、動くと息切れする、慢性の咳嗽が中心となります。呼吸器の症状であり、この症例には該当しません。

腎の病証を整理します。腎陽虚=冷え腎陰虚=のぼせと五心煩熱腎精不足=発育と老化腎気不固=漏れる(排尿と生殖)、**腎不納気=呼吸(吸気困難)**です。

選択肢の確認

1.腎陽虚
誤り。冷え、寒がる、浮腫、五更泄瀉が中心です。

2.腎精不足
誤り。成長発育の遅れ、早老、耳鳴り、健忘が中心です。

3.腎不納気
誤り。吸気困難と動作時の息切れが中心です。

4.腎気不固
正しい。頻尿、失禁という固摂の失調に合致します。

覚えるポイント

  • 腎気不固頻尿、夜間尿、尿失禁、遺精、帯下、流早産。固摂の失調。
  • 腎陽虚=冷え腎陰虚=のぼせと五心煩熱、盗汗
  • 腎精不足=発育の遅れと早老腎不納気=吸気困難
  • 治療=補腎固摂(腎兪、命門、関元、気海、太渓、三陰交)。が有用。
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