25PM119|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者の病証に対し、八会穴を用いて治療を行う場合最も、適切なのはどれか。「35歳の女性。1か月前に出産し、現在授乳中だが、乳房に張った感じがなく、乳汁の分泌が少ない。出産時に出血が多かったせいか顔色は青白く、爪や唇の色は白っぽい。舌質は淡、脈は虚細。」
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
血虚の病証を判断し、八会穴の中から適切な穴を選ぶ問題です。
35歳女性、産後1か月、乳汁の分泌が少なく乳房の張りがない、出産時の出血が多かった、顔色が青白い、爪と唇の色が白っぽい、舌質は淡、脈は虚細という所見を統合します。
解説
所見を確認します。
出産時の出血が多かったことは、血が大量に失われたことを示します。
顔色が青白い、爪と唇の色が白っぽいことは、血が濡養(潤し養う)できていないことを示します。血は顔面、爪、口唇、毛髪を養うため、不足するとこれらが色を失います。
舌質が淡く、脈が虚細であることも、血の不足を示す典型的な所見です。
乳汁の分泌が少なく乳房の張りがないという点も重要です。乳汁は血が変化したもの(乳汁は血の余りである)とされるため、血が不足すれば乳汁も生成されません。張りがない(脹痛がない)ことから、気滞による乳汁の停滞ではなく、**産生そのものの不足(虚証)**であることがわかります。
以上をまとめると、血虚証による産後の乳汁分泌不足(乳汁不足の虚証)と判断されます。
八会穴のうち**血に対応するのは膈兪(血会)**です。したがってこれが正答です。膈兪は膀胱経の経穴で、第7胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に取ります。あわせて、脾兪、足三里、三陰交、膻中、**少沢(乳汁分泌の要穴)**などを用い、補法と灸によって気血を補います。
大杼は骨会であり、骨の病(骨の痛み、骨粗鬆症、関節の疾患)に用います。
陽陵泉は筋会であり、筋の病(こむら返り、筋の緊張とひきつり、片麻痺)に用います。胆経の合土穴でもあります。
太淵は脈会であり、脈の病(脈の異常、循環の障害)に用います。肺経の兪土穴かつ原穴でもあります。
八会穴を整理します。臓会=章門、腑会=中脘、気会=膻中、血会=膈兪、筋会=陽陵泉、脈会=太淵、骨会=大杼、**髄会=懸鍾(絶骨)**です。
選択肢の確認
1.膈兪
正しい。血会であり、血虚の病証に用います。
2.大杼
誤り。骨会であり、骨の病に用います。
3.陽陵泉
誤り。筋会であり、筋の病に用います。
4.太淵
誤り。脈会であり、脈の病に用います。
覚えるポイント
- 八会穴=臓は章門、腑は中脘、気は膻中、血は膈兪、筋は陽陵泉、脈は太淵、骨は大杼、髄は懸鍾。
- 血虚=顔色が白い(または萎黄)、爪と唇が淡い、めまい、動悸、舌淡、脈細。
- 乳汁は血の余り。血虚では乳汁が生成されない(虚証)。張りがあれば気滞(実証)。
- 乳汁分泌の要穴=少沢(小腸経の井穴)、膻中、乳根、足三里。