25PM123|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
肩関節外転90度で外旋の自動運動を行ったところ、肩の後方の疼痛を自覚した。罹患筋への刺鍼部位として最も適切なのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
肩関節の運動から罹患筋を推定し、その筋への刺鍼部位を選ぶ問題です。
解説
肩関節外転90度の位置での外旋は、棘下筋と小円筋が主に働く運動です。この動作で肩の後方に痛みが生じたということは、これらの**外旋筋(回旋筋腱板の後方成分)**に問題があると考えられます。投球動作を行う競技者では、フォロースルー期に強い伸張の負荷がかかり、障害されやすい部位です。
棘下窩の中央は、肩甲骨の棘下窩にあたり、ここを埋めているのが棘下筋です。この部位に位置する経穴が天宗(手の太陽小腸経)であり、棘下筋への刺鍼部位として最も適切です。したがってこれが正答です。天宗は棘下筋のトリガーポイント好発部位でもあり、肩の後方の痛みや上肢への関連痛に対してよく用いられます。刺鍼にあたっては、棘下窩の骨面に向けて刺入すれば深部の危険は少なくなります。
結節間溝は、上腕骨の大結節と小結節の間の溝で、上腕二頭筋長頭腱が通る部位です。ここに関わるのは上腕二頭筋長頭腱炎であり、肩の前方の痛みとして現れます。外旋筋ではありません。経穴では肩髃の前下方にあたります。
肩甲骨下角は、前鋸筋の停止部と広背筋の起始の一部が関わる部位です。肩甲骨の運動に関与しますが、肩関節の外旋筋ではありません。
隆椎と肩峰の中点は肩井(足の少陽胆経)の部位で、僧帽筋上部にあたります。肩こりの代表的な経穴ですが、外旋筋ではありません。なお、肩井は深部に肺尖があるため深刺は禁忌であり、気胸を起こす危険がある点で特に注意を要する経穴です。
回旋筋腱板と経穴の対応を整理します。棘上筋=秉風、巨骨(外転の初期)、棘下筋=天宗(外旋)、小円筋=肩貞(外旋)、肩甲下筋(内旋)です。
選択肢の確認
1.結節間溝
誤り。上腕二頭筋長頭腱が通る部位で、肩の前方の痛みに関わります。
2.肩甲骨下角
誤り。前鋸筋の停止部などであり、外旋筋ではありません。
3.棘下窩の中央
正しい。棘下筋にあたり、天宗の部位です。
4.隆椎と肩峰の中点
誤り。肩井の部位で僧帽筋上部です。深刺は気胸の危険があります。
覚えるポイント
- 外転90度からの外旋=棘下筋と小円筋。肩の後方の痛みとして現れる。
- 棘下窩の中央=天宗(棘下筋)。腋窩横紋後端の上1寸=肩貞(小円筋)。
- 棘上窩=秉風(棘上筋、外転の初期に働き腱板断裂の好発部位)。
- 肩井は深刺禁忌。深部に肺尖があり、気胸の危険がある。