25PM125|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
脳卒中後の後遺症による上肢の屈曲拘縮に対し拮抗抑制を利用する目的で低周波鍼通電療法を行う場合の経穴の組合せで最も適切なのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
拮抗抑制の原理を理解し、刺激すべき筋の上にある経穴を選ぶ問題です。
解説
**拮抗抑制(相反神経支配)**とは、ある筋(主働筋)が収縮するとき、その反対の働きをする筋(拮抗筋)は反射的に弛緩する仕組みです。Ia線維からの入力が抑制性介在ニューロンを介して拮抗筋の運動ニューロンを抑制することで生じます。
脳卒中後の上肢の屈曲拘縮では、屈筋(上腕二頭筋など)の緊張が高まっています。これを緩めるためには、拮抗抑制の原理に従って、その拮抗筋である伸筋(上腕三頭筋)を刺激し収縮させます。すなわち、上腕の後面にある経穴を選ぶことになります。
消濼と臑会は、いずれも手の少陽三焦経の経穴で、上腕後面、すなわち上腕三頭筋の上に位置します。消濼は肘頭と肩峰角を結ぶ線上で肘頭の上方5寸、臑会は三角筋の後下縁、肩峰角の下方3寸に取ります。したがってこの組合せが正しく、正答です。
肩髎-肩髃の組合せは、いずれも**肩関節の周囲(三角筋の部)**にある経穴です。三角筋は肩関節の外転筋であり、肘の屈曲拘縮に対する拮抗筋ではありません。
天泉-侠白の組合せを確認します。天泉は心包経の経穴で腋窩横紋前端の下2寸、侠白は肺経の経穴で腋窩横紋前端の下4寸にあり、いずれも上腕の前面(上腕二頭筋の上)にあります。これらは短縮している屈筋そのものであり、刺激して収縮させれば拘縮を強めてしまうため、拮抗抑制を狙う目的には合いません。
少海-間使の組合せを確認します。少海は心経の合水穴で肘窩横紋の内端、間使は心包経の経金穴で前腕前面の掌側横紋の上3寸にあり、いずれも屈筋側にあります。こちらも目的に合いません。
なお、痙縮に対しては、拮抗筋への刺激のほかに、ゆっくりとした持続的な伸張、温熱、そして関節可動域訓練による拘縮の予防が組み合わされます。
選択肢の確認
1.肩髎-肩髃
誤り。いずれも三角筋の部にあり、肩関節の外転筋です。
2.天泉-侠白
誤り。いずれも上腕前面の屈筋側にあります。
3.消濼-臑会
正しい。いずれも上腕後面の上腕三頭筋の上にあります。
4.少海-間使
誤り。いずれも屈筋側にあります。
覚えるポイント
- 拮抗抑制(相反神経支配)=主働筋が収縮すると拮抗筋は反射的に弛緩する。
- 屈曲拘縮→伸筋(上腕三頭筋)を刺激する。上腕後面の消濼、臑会、清冷淵、天井。
- 上腕前面(屈筋)=天泉、侠白、天府。前腕屈筋側=間使、内関、郄門。
- 痙縮への対応=拮抗筋への刺激、ゆっくりした持続的伸張、温熱、可動域訓練。