25PM126|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者への施術で罹患神経への治療穴として最も適切なのはどれか。「30歳の女性。1週間前から手の小指側にしびれを感じ、母指の内転運動障害がみられる。フローマン徴候陽性、ファレンテスト陰性。」
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
尺骨神経麻痺を診断し、その神経の走行上にある経穴を選ぶ問題です。
30歳女性、手の小指側のしびれ、母指の内転運動障害、フローマン徴候陽性、ファレンテスト陰性という所見を統合します。
解説
所見を確認します。
手の小指側のしびれは、尺骨神経の知覚支配領域(小指全体と環指の尺側半)に一致します。
母指の内転運動障害とフローマン徴候陽性は、母指内転筋の麻痺を示します。母指内転筋は尺骨神経の支配です。フローマン徴候は、母指と示指で紙をつまんで引っ張ると、母指内転筋が働かないため母指の指節間関節が屈曲してしまう(長母指屈筋で代償する)所見で、尺骨神経麻痺の代表的な検査です。
ファレンテスト陰性であることは、**手根管症候群(正中神経の絞扼)**を否定する所見です。
以上をまとめると、尺骨神経麻痺と判断されます。
尺骨神経の走行上にある経穴を選びます。霊道は手の少陰心経の経金穴で、前腕前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋の上方1寸5分に取ります。この部位は尺骨神経が走行する位置に近く、罹患神経への治療穴として適切です。したがってこれが正答です。心経の前腕の経穴(霊道、通里、陰郄、神門)は、いずれも尺側手根屈筋腱の橈側縁にあり、尺骨神経に関連します。また、肘部の小海(肘頭と上腕骨内側上顆の間)は、尺骨神経溝にあたる部位で、肘部管症候群の局所治療穴となります。
列欠は肺経の絡穴で、前腕の橈側にあり、橈骨神経浅枝が関わる部位です。
大陵は心包経の兪土穴かつ原穴で、手関節掌側横紋上、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間にあり、正中神経が手根管へ入る部位にあたります。手根管症候群の治療穴です。
陽池は三焦経の原穴で、手関節後面、総指伸筋腱の尺側の陥凹部にあり、**後骨間神経(橈骨神経深枝)**が関わる部位です。
選択肢の確認
1.列欠
誤り。前腕橈側にあり、橈骨神経浅枝が関わります。
2.霊道
正しい。尺側手根屈筋腱の橈側縁にあり、尺骨神経に関わります。
3.大陵
誤り。手根管の入口にあり、正中神経が関わります。
4.陽池
誤り。手関節後面にあり、後骨間神経が関わります。
覚えるポイント
- 尺骨神経麻痺=小指側のしびれ、鷲手、フローマン徴候陽性、母指内転と手内在筋の障害。
- 治療穴=霊道、通里、陰郄、神門(尺側手根屈筋腱の橈側縁)、小海(肘部管)。
- 正中神経(手根管症候群)=ファレンテストとチネル徴候、大陵。猿手。
- 橈骨神経=下垂手、手背橈側のしびれ。手三里、曲池、陽渓。