25PM134|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「24歳の男性。1か月前から右下肢痛を自覚。近医を受診してMRI検査にて椎間板ヘルニアと診断された。SLRテスト陽性。アキレス腱反射減弱。」障害神経根のデルマトーム領域に治療穴を求める場合、最も適切なのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
神経学的所見から障害神経根を特定し、そのデルマトーム上にある経穴を選ぶ問題です。
解説
まず障害神経根を特定します。
アキレス腱反射の減弱は、S1神経根の障害を示す代表的な所見です(膝蓋腱反射はL4、アキレス腱反射はS1)。あわせてSLRテスト陽性は坐骨神経の伸張による症状の誘発を示し、L4からS1の神経根症に矛盾しません。24歳という年齢と椎間板ヘルニアの診断からは、L5・S1椎間板ヘルニアによるS1神経根症が最も考えられます。
S1のデルマトームは、下腿の後外側から足の外側縁、小趾、そして足底の外側にあたります。
これに一致する経穴を選びます。束骨は足の太陽膀胱経の兪木穴で、足の外側、第5中足指節関節の近位陥凹部、赤白肉際に取ります。すなわち足の外側縁にあり、S1の皮膚分節に一致します。したがってこれが正答です。あわせて、膀胱経の崑崙、僕参、申脈、京骨、至陰もS1の領域にあたります。
陥谷は足の陽明胃経の兪木穴で、足背、第2・第3中足骨間の陥凹部に取ります。足背の中央から内側寄りであり、L5の分節に相当します。
太渓は足の少陰腎経の兪土穴かつ原穴で、内果尖とアキレス腱の間の陥凹部に取ります。足の内側であり、L4からL5の分節に相当します。S1ではありません。
殷門は膀胱経の経穴で、大腿後面、承扶と委中を結ぶ線上、承扶の下方6寸に取ります。大腿後面の皮膚は主にS2の分節にあたり、S1の代表的な領域ではありません。なお、殷門の深部には坐骨神経が走行するため、坐骨神経痛の治療穴としてよく用いられます。
下肢のデルマトームを整理します。L4=下腿内側と内果、母趾側、L5=下腿外側、足背、母趾、S1=下腿後外側、足の外側縁、小趾、足底外側、S2=大腿後面です。
選択肢の確認
1.陥谷
誤り。第2・第3中足骨間にあり、L5の分節に相当します。
2.太渓
誤り。内果の後方にあり、L4からL5の分節に相当します。
3.殷門
誤り。大腿後面にあり、主にS2の分節です。
4.束骨
正しい。足の外側縁にあり、S1の分節に一致します。
覚えるポイント
- 膝蓋腱反射=L4、アキレス腱反射=S1。反射の低下から高位を推定する。
- 下肢のデルマトーム=L4(下腿内側)、L5(下腿外側と足背、母趾)、S1(足の外側縁と小趾)。
- S1の経穴=束骨、京骨、申脈、崑崙、僕参、至陰(膀胱経の足部)。
- 椎間板ヘルニアはL4・L5とL5・S1に好発。馬尾症候群があれば緊急に紹介する。