25PM137|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「23歳の女性。体操の選手で運動性無月経がみられる。東洋医学的所見では顔色は白く、肌につやがない。舌は淡白。脈は細。」本症例の無月経の原因で適切なのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
運動性無月経の主要な原因を問う問題です。
解説
運動性無月経は、激しいトレーニングを行う女性競技者にみられる無月経です。
その中心的な原因は、利用できるエネルギーの不足(低エネルギー・アベイラビリティ)です。すなわち、運動によって消費されるエネルギーに対して摂取するエネルギーが不足し、身体活動を除いて身体が使えるエネルギーが足りなくなった状態です。この状態では、生命維持が優先されて生殖機能が後回しにされるため、視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の分泌が抑制され、下垂体からのLHとFSHが減少し、卵巣からのエストロゲンの分泌が低下して無月経に至ります(視床下部性無月経)。したがってこれが正答です。
この問題は、女性アスリートの三主徴として知られています。すなわち、利用できるエネルギーの不足、無月経(月経の異常)、骨粗鬆症(骨密度の低下)です。エストロゲンの低下は骨量の減少をもたらし、若年であっても骨粗鬆症と疲労骨折の危険を高めます。対策は、十分なエネルギー摂取と、必要に応じた練習量の調整であり、体重と体脂肪の管理が過度にならないよう指導することが重要です。
貧血は、女性競技者に多い問題(鉄欠乏性貧血、スポーツ貧血)ですが、無月経を直接引き起こす原因ではありません。むしろ月経による失血が貧血の一因となります。
プロゲステロン不足は、黄体機能不全などでみられる状態ですが、運動性無月経の根本的な原因ではありません。この症例で起きているのは、視床下部の段階での抑制であり、その結果としてエストロゲンとプロゲステロンがともに低下します。原因と結果の順序を取り違えないことが要点です。
高プロラクチン血症は、下垂体腺腫(プロラクチノーマ)や薬剤によってプロラクチンが過剰となり、排卵が抑制されて無月経と乳汁漏出をきたす病態です。運動性無月経とは機序が異なります。
選択肢の確認
1.貧血
誤り。女性競技者に多い問題ですが、無月経の原因ではありません。
2.利用できるエネルギー不足
正しい。視床下部の抑制を介して無月経に至ります。
3.プロゲステロン不足
誤り。結果として生じるものであり、根本原因ではありません。
4.高プロラクチン血症
誤り。下垂体腺腫や薬剤による別の病態です。
覚えるポイント
- 女性アスリートの三主徴=利用できるエネルギーの不足、無月経、骨粗鬆症。
- 機序=エネルギー不足→視床下部のGnRH分泌抑制→LHとFSHの低下→エストロゲンの低下。
- エストロゲンの低下は骨量の減少と疲労骨折を招く。若年でも骨粗鬆症となる。
- 対策=十分なエネルギー摂取と練習量の調整。過度な体重管理を避ける。