25PM138|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「23歳の女性。体操の選手で運動性無月経がみられる。東洋医学的所見では顔色は白く、肌につやがない。舌は淡白。脈は細。」本症例の病証で最も適切なのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
東洋医学的な所見から病証を判断する問題です。
顔色が白い、肌につやがない、舌は淡白、脈は細という所見を統合します。
解説
所見を確認します。
顔色が白いことと肌につやがないことは、血が身体を**濡養(潤し養う)**できていないことを示します。血は顔面、皮膚、毛髪、爪、目を養うため、不足するとこれらが色とつやを失います。
舌質が淡白であることは、血が舌を養えていないことを示す典型的な所見です。
脈が細いことは、脈道を満たす血が不足していることを示します。
以上をまとめると、血虚証であり、これが正答です。あわせて、月経の量が少ない、あるいは無月経となること、めまい、動悸、不眠、健忘、しびれ、こむら返りといった症状を伴います。この症例では、エネルギーの不足によって血の生成が不十分となり(脾は気血生化の源)、衝脈と任脈を満たせずに月経が止まった、と説明されます。治療では補血と健脾を図り、脾兪、胃兪、足三里、三陰交、血海、膈兪(血会)、関元、気海などに補法と灸を行います。
陽虚証は、陽気(温める働き)が不足した状態で、冷え、寒がる、四肢の冷え、顔色が白い、温かいものを好む、下痢、浮腫、舌は淡白胖大、脈は沈遅無力が特徴です。顔色が白い点は共通しますが、この症例には冷えの所見が記載されていないため、血虚がより適切です。
表虚証は、体表を守る衛気が不足した状態で、風にあたるのを嫌う(悪風)、自汗、疲れやすい、かぜをひきやすいが特徴です。この症例の所見とは異なります。
陰虚証は、陰液が不足して相対的に熱が生じた状態で、のぼせ、ほてり(五心煩熱)、盗汗、口の乾き、頬の紅潮、舌は紅く苔が少ない、脈は細数が特徴です。舌が淡白であることと矛盾します。
選択肢の確認
1.陽虚症
誤り。冷えと寒がる症状が中心で、この症例には記載がありません。
2.表虚症
誤り。悪風、自汗、かぜをひきやすいことが特徴です。
3.血虚症
正しい。顔色が白い、肌につやがない、舌淡白、脈細に合致します。
4.陰虚症
誤り。のぼせ、盗汗、舌紅少苔、脈細数が特徴です。
覚えるポイント
- 血虚=顔色が白いまたは萎黄、皮膚と毛髪につやがない、爪と唇が淡い、めまい、動悸、舌淡、脈細。
- 脾は気血生化の源。栄養の不足は血の生成を妨げ、月経に影響する。
- 陽虚=冷え、陰虚=のぼせと盗汗、舌紅少苔、脈細数。舌象で鑑別できる。
- 治療=補血と健脾(脾兪、足三里、三陰交、血海、膈兪、関元、気海)。灸が有用。