25PM139|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「58歳の女性。主訴は右手掌の痛み・しびれ。痛みの部位は小指を除く手掌部である。」本症例に行った徒手検査法で陽性を示すのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
手根管症候群を診断し、陽性となる徒手検査を選ぶ問題です。
58歳女性、右手掌の痛みとしびれ、小指を除く手掌部という所見から判断します。
解説
しびれの分布が決め手です。小指を除く手掌部、すなわち母指、示指、中指、そして環指の橈側半という範囲は、正中神経の知覚支配領域に一致します。小指と環指の尺側半は尺骨神経の支配であり、この症例では保たれています。
中年以降の女性に好発するという点も、手根管症候群の特徴です。手根管は、手根骨と屈筋支帯に囲まれたトンネルで、その中を正中神経と9本の屈筋腱が通ります。この中で正中神経が絞扼されることで発症し、夜間から早朝に強まるしびれと痛み、手を振ると軽減すること、進行すると**母指球の萎縮と対立運動の障害(猿手)**をきたします。背景に、手の使いすぎ、妊娠と閉経期のホルモンの変化、関節リウマチ、透析によるアミロイド沈着、糖尿病、甲状腺機能低下症などがあります。
ファレンテストは、両手の手背を合わせて手関節を最大屈曲させ、1分ほど保持してしびれが誘発されるかをみる検査です。手根管内圧が上昇して正中神経が圧迫されるため、手根管症候群で陽性となります。したがってこれが正答です。あわせて、手関節の掌側を叩打してしびれが放散するチネル徴候も陽性となります。
トムゼンテストは、手関節を背屈させた状態で抵抗を加え、上腕骨外側上顆の痛みをみる検査で、**上腕骨外側上顆炎(テニス肘)**を示します。手のしびれの検査ではありません。
インピンジメントテストは、肩を挙上させて肩峰下で腱板が挟み込まれる痛みをみる検査で、腱板の障害や肩峰下滑液包炎を示します。
チェアテストは、肘を伸ばしたまま椅子を持ち上げさせて外側上顆の痛みをみる検査で、こちらも上腕骨外側上顆炎を示します。
選択肢の確認
1.トムゼンテスト
誤り。上腕骨外側上顆炎をみる検査です。
2.ファレンテスト
正しい。手関節を最大屈曲させて手根管症候群を誘発します。
3.インピンジメントテスト
誤り。腱板の障害や肩峰下滑液包炎をみる検査です。
4.チェアテスト
誤り。上腕骨外側上顆炎をみる検査です。
覚えるポイント
- 手根管症候群=正中神経の絞扼。母指から環指橈側半のしびれ(小指は保たれる)。
- 特徴=中年以降の女性、夜間から早朝に増悪、手を振ると軽減、進行すると猿手。
- 検査=ファレンテスト、チネル徴候、母指の対立運動と母指球の萎縮の確認。
- 背景疾患=妊娠と閉経、関節リウマチ、透析(アミロイド)、糖尿病、甲状腺機能低下症。