25PM150|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
1Hzの鍼通電刺激で起こる鍼鎮痛の特徴について正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
低頻度(1ヘルツ)の鍼通電による鎮痛の特徴を問う問題です。
解説
鍼通電による鎮痛は、頻度によって性質が異なります。
**低頻度(おおむね1から数ヘルツ)**の通電では、筋の収縮が得られる程度の強い刺激によって、**III群線維(Aδ)**を中心に太い求心性線維が興奮します。この入力が中脳、延髄、視床下部に達し、内因性オピオイド(βエンドルフィン、エンケファリン)の放出を引き起こして、全身性かつ持続的な鎮痛をもたらします。この効果は、オピオイド受容体の拮抗薬であるナロキソンによって抑制されることが実験的に示されています。
したがって「筋収縮が得られる刺激強度の方が効果が高い」が正しく、正答です。低頻度の通電では、患者に痛みを与えない範囲で、目に見える筋収縮が得られる強度を目安とします。
主にII群線維が関与するという記述は誤りです。**II群線維(Aβ)**は触圧覚を伝える線維で、高頻度(おおむね50ヘルツ以上)の通電による鎮痛(ゲートコントロールを介する分節性の鎮痛)に関与します。低頻度の鎮痛に主に関与するのはIII群線維です。
効果の出現部位は施術部位と同じデルマトーム領域に限られるという記述も誤りです。同一のデルマトーム(分節)に限られるのは高頻度の通電による鎮痛であり、低頻度の通電では全身性の鎮痛が得られます。
鍼通電終了と同時に鎮痛効果は消失するという記述も誤りです。低頻度の通電では、内因性オピオイドを介するため、通電を終えた後も鎮痛が持続します(効果の発現はゆっくりで、持続は長い)。これに対し、高頻度の通電では発現は速いが持続は短く、刺激を止めると比較的速やかに減弱します。
まとめると、低頻度=発現は遅いが持続し全身性、オピオイド性、III群線維、強い刺激、高頻度=発現は速いが短く分節性、非オピオイド性、II群線維、弱い刺激で可、となります。
選択肢の確認
1.主にⅡ群線維が関与する。
誤り。II群は高頻度通電による分節性の鎮痛に関与します。
2.効果の出現部位は施術部位と同じデルマトーム領域に限られる。
誤り。低頻度では全身性の鎮痛が得られます。
3.鍼通電終了と同時に鎮痛効果は消失する。
誤り。通電後も鎮痛が持続します。
4.筋収縮が得られる刺激強度の方が効果が高い。
正しい。III群線維を興奮させる強度が必要です。
覚えるポイント
- 低頻度(1ヘルツ前後)=III群線維、筋収縮が得られる強度、内因性オピオイド、全身性で持続する。ナロキソンで拮抗される。
- 高頻度(50ヘルツ以上)=II群線維、弱い刺激で可、分節性、発現は速いが持続は短い。
- 鍼通電の注意=心臓を挟む通電を避ける、ペースメーカー装着者には行わない。
- 得気とひびきの強さは、患者の体質と症状に応じて調節する。