25PM157|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
過敏性腸症候群における下痢に対して、脊髄性の自律神経反射を考慮して灸治療を行う場合、最も効果が期待できるのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
脊髄性(分節性)の自律神経反射を利用する場合に、どの部位を刺激すべきかを判断する問題です。
解説
体性-自律神経反射には、次の二つの経路があります。
脊髄性(分節性)反射=刺激した体表と同じ髄節に支配される内臓に作用する。主として交感神経を介する。すなわち、体幹の刺激が有効です。
上脊髄性反射=延髄などの上位中枢を経由し、主として副交感神経(迷走神経)を介する。四肢など遠隔部の刺激で生じます。
この問題は「脊髄性の自律神経反射を考慮して」と明記しているため、下痢を起こしている腸管と同じ髄節に対応する体幹の部位を選ぶ必要があります。
下行結腸、S状結腸、直腸を支配する交感神経は、腰髄(L1からL2)由来の腰内臓神経を経由します。交感神経が働くと腸管の運動が抑制されるため、下痢に対しては有効な方向です。
帰来は足の陽明胃経の経穴で、下腹部、臍中央の下方4寸、前正中線の外方2寸に取ります。すなわち**下腹部(体幹)**にあり、下部消化管に対応する髄節領域に位置します。したがって脊髄性の反射を期待する部位として最も適切であり、これが正答です。あわせて、天枢、大巨、関元、大腸兪、次髎なども用いられます。
合谷は手の陽明大腸経の原穴で、手背にあります。四肢の遠隔部であり、上脊髄性の反射に相当します。設問の趣旨とは異なります。
足三里は足の陽明胃経の合土穴で、下腿にあります。こちらも遠隔部であり、迷走神経を介する上脊髄性の反射に相当します(足三里は胃腸の症状に広く用いられる要穴ですが、この設問では髄節の考え方が問われています)。
内庭は胃経の滎水穴で、足背にあります。こちらも遠隔部です。
なお、過敏性腸症候群では、器質的な疾患の除外が前提であり、体重減少、血便、発熱、夜間の症状といった所見があれば医療機関への受診を勧めます。
選択肢の確認
1.合谷
誤り。手背にあり、遠隔部の刺激となります。
2.帰来
正しい。下腹部にあり、下部消化管と同じ髄節に対応します。
3.足三里
誤り。下腿にあり、遠隔部の刺激となります。
4.内庭
誤り。足背にあり、遠隔部の刺激となります。
覚えるポイント
- 脊髄性(分節性)反射=体幹の刺激、交感神経を介する。同じ髄節の内臓に作用。
- 上脊髄性反射=四肢(遠隔部)の刺激、**副交感神経(迷走神経)**を介する。
- 帰来=臍中央の下方4寸、前正中線の外方2寸。下腹部の要穴。
- 過敏性腸症候群では、血便、体重減少、発熱、夜間の症状があれば医療機関へ紹介する。