25PM158|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
施灸局所の血流増加に関与するのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
施灸局所の血流増加の機序を問う問題です。
解説
軸索反射は、次のような仕組みで起こります。皮膚への刺激によって侵害受容線維(C線維)が興奮すると、その興奮は中枢へ向かうだけでなく、同じ線維の枝分かれした別の末梢の枝へ逆行性に伝わります。すると、その末梢の枝の終末から**サブスタンスPやCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)**といった神経ペプチドが放出され、血管の拡張と透過性の亢進が引き起こされます。
この反射は、中枢神経を経由せず、一本の神経線維の枝の中で完結するという点が特徴です。施灸の局所にみられる発赤(フレア)と膨隆(ウィール)、そして血流の増加は、この軸索反射によって説明されます。したがってこれが正答です。血流の増加は、局所の代謝の亢進、発痛物質の除去、組織の修復の促進につながると考えられています。
**広汎性侵害抑制調節(DNIC)**は、身体のどこかに強い侵害刺激が加わると、それとは別の部位の痛みが抑制されるという、全身性の鎮痛機構です。中脳と延髄の下行性抑制系を介するもので、鍼の鎮痛の一つの機序として重要ですが、施灸局所の血流増加を説明するものではありません。
交感神経-アドレナリン系は、交感神経の活動によってノルアドレナリンが放出され、皮膚の血管ではα受容体を介して血管を収縮させます。すなわち、血流を減らす方向に働くため、局所の血流増加の機序としては逆になります(なお、鍼灸刺激が反射性に交感神経の緊張を下げることで血流が改善するという経路も知られていますが、局所の直接的な反応としては軸索反射が中心です)。
圧受容器反射は、頸動脈洞と大動脈弓にある圧受容器が血圧の変化を感知し、心拍数と血管の緊張を調節して血圧を一定に保つ反射です。全身の循環の調節に関わるもので、施灸局所の血流とは別の機構です。
選択肢の確認
1.軸索反射
正しい。C線維の逆行性の興奮によりCGRPなどが放出され、血管が拡張します。
2.広汎性侵害抑制調節
誤り。全身性の鎮痛機構であり、血流の増加を説明しません。
3.交感神経-アドレナリン系
誤り。皮膚の血管を収縮させる方向に働きます。
4.圧受容器反射
誤り。血圧を一定に保つ全身の循環調節の反射です。
覚えるポイント
- 軸索反射=C線維の逆行性興奮→サブスタンスPとCGRPの放出→血管拡張と透過性亢進。
- 施灸局所のフレア(発赤)とウィール(膨隆)、血流の増加はこの反射による。中枢を経由しない。
- DNIC(広汎性侵害抑制調節)=強い侵害刺激が他部位の痛みを抑える全身性の鎮痛機構。
- 交感神経は皮膚の血管を収縮させる。局所の血流増加とは方向が逆。