25PM160|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「生体の内部環境は適当な制御機構が働いて、ほぼ一定に維持されている」と定義されるのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
生体調節の基本概念を区別する問題です。
解説
**ホメオスタシス(恒常性)**は、キャノンが提唱した概念で、「生体の内部環境は、適当な制御機構が働くことによって、ほぼ一定に維持されている」という性質を指します。したがってこれが正答です。
体温、血糖値、血圧、体液の量と浸透圧、pH、電解質の濃度、酸素と二酸化炭素の分圧といった内部環境の指標は、外界が変化しても一定の範囲に保たれます。これを支えるのが、神経系(自律神経)、内分泌系(ホルモン)、免疫系の三つであり、多くは負のフィードバックによって調節されています。
鍼灸の作用を説明する際にも、この概念は中心的な位置を占めます。すなわち、鍼灸刺激が体性-自律神経反射を介して自律神経の働きを調整し、恒常性の維持を助ける、という理解です。
圧自律神経反射は、体表の一定部位への持続的な圧迫刺激によって、圧迫した側と反対側で発汗や血管の反応が変化するという反射です(半身圧反射などとして知られます)。特定の反射を指す語であり、内部環境の恒常性そのものを定義する概念ではありません。
汎適応症候群は、セリエが提唱したストレス学説の概念です。生体がストレス刺激を受けたときに示す非特異的な反応を、警告反応期(ショック相と反ショック相)、抵抗期、疲憊期の三段階で説明します。適応の過程を記述するもので、恒常性の定義とは異なります。
サイバネティックスは、ウィーナーが提唱した、生物と機械に共通する制御と通信の理論です。フィードバックによる制御という考え方は生体の調節とも通じますが、これは工学と生物学にまたがる学問の枠組みを指す語であり、問題文の定義そのものではありません。
選択肢の確認
1.ホメオスタシス
正しい。内部環境を一定に保つ性質であり、キャノンが提唱しました。
2.圧自律神経反射
誤り。体表への圧迫刺激による自律神経の反応を指します。
3.汎適応症候群
誤り。セリエのストレス学説による三段階の反応です。
4.サイバネティックス
誤り。ウィーナーによる制御と通信の理論です。
覚えるポイント
- ホメオスタシス(恒常性)=キャノン。内部環境を一定に保つ性質。
- 支えるのは自律神経系、内分泌系、免疫系。多くは負のフィードバックによる調節。
- 汎適応症候群=セリエ。警告反応期、抵抗期、疲憊期の三段階。
- サイバネティックス=ウィーナー。制御と通信の理論。