25PM94|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「55歳の女性。梅雨の頃より頭や体が重く、四肢がだるくなり、関節が腫れ、下痢をするようになった。」患者の症状を引き起こす六淫はどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
六淫のうち、どの邪が症状を引き起こしたかを判断する問題です。
55歳女性、梅雨の頃から、頭や体が重い、四肢がだるい、関節が腫れる、下痢という所見を統合します。
解説
決め手となる所見を確認します。
梅雨の頃という季節は、湿度が高く湿邪を受けやすい時期です。長夏にあたる時期であり、五行では**土(脾)**に配当されます。
頭や体が重い、四肢がだるいという症状は、湿邪の重濁性(重く濁る性質)を示す典型的な所見です。頭に濡れた布をかぶったような重さ、身体が鉛のように重いという訴えとして現れます。
関節が腫れることも、湿が関節に停滞したもので、痺証では**着痺(湿痺)**にあたります。重だるく固定した痛みで、天候(雨や湿気)によって悪化するのが特徴です。
下痢も、湿邪が脾を傷る(脾は湿を悪む)ことによって運化が失調したものです。湿による下痢は、すっきりせず粘り気があるのが特徴です。
以上をまとめると、原因となった六淫は湿邪であり、これが正答です。治療では除湿と健脾を図り、陰陵泉、足三里、豊隆、脾兪、中脘、三陰交などを用います。
風邪は、軽揚性(上部と体表を侵す)、遊走性(善行数変)、百病の長という性質をもちます。症状の部位が移動することが特徴で、この症例の重だるさと固定した症状とは異なります。
暑邪は、夏の炎熱によるもので、高熱、多汗、口渇、倦怠感が特徴です。心を傷りやすく、しばしば湿を伴います。この症例には高熱と多汗の記載がありません。
寒邪は、凝滞性と収引性をもち、激しく固定した痛み、無汗、悪寒、冷えをきたします。温めると軽減するのが特徴で、この症例の重だるさとは性質が異なります。
選択肢の確認
1.風邪
誤り。症状の部位が移動する遊走性が特徴です。
2.暑邪
誤り。高熱、多汗、口渇が特徴です。
3.湿邪
正しい。梅雨、重だるさ、関節の腫れ、下痢に合致します。
4.寒邪
誤り。激しい固定痛と冷えが特徴で、温めると軽減します。
覚えるポイント
- 湿邪=重濁性(重だるい)、粘滞性(長引く)、下注性(下半身)。脾を傷る。着痺。
- 湿邪は梅雨と長夏に多く、雨や湿気で症状が悪化する。
- 風邪=遊走性(行痺)、寒邪=激しい固定痛(痛痺)、熱邪=発赤と腫脹(熱痺)。
- 治療=除湿と健脾(陰陵泉、足三里、豊隆、脾兪、中脘、三陰交)。