26AM28|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
血管拡張作用をもつのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
血管の口径を調節する物質を、拡張と収縮に分けて問う問題です。
解説
二酸化炭素は、血管を拡張させる作用をもちます。したがってこれが正答です。
組織の代謝が活発になると、二酸化炭素、水素イオン、乳酸、アデノシン、カリウムイオンが局所にたまり、これらが局所の細動脈を拡張させて血流を増やします。これを代謝性(局所性)の血流調節といい、必要としている組織へ自動的に血液を送る仕組みです。運動している筋の血流が増えるのはこの機序によります。
また、脳においては二酸化炭素分圧の影響が特に大きく、動脈血の二酸化炭素分圧が上がると脳血管が拡張して脳血流が増加し、逆に過換気によって二酸化炭素分圧が下がると脳血管が収縮して脳血流が減少します(過換気症候群でめまいや手指のしびれが生じる一因です)。
セロトニンは、血小板から放出され、血管を収縮させる作用をもちます(損傷部位の止血に働きます)。また、痛覚を過敏にする作用ももちます。
エンドセリンは、血管内皮細胞から産生される物質で、最も強力な血管収縮物質の一つとして知られています。なお、同じ血管内皮からは、一酸化窒素(NO)とプロスタサイクリンという強力な血管拡張物質も産生されます。血管内皮は、収縮と拡張の両方の物質を出して血管の緊張を調節しています。
アンジオテンシンIIは、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の中心となる物質で、強力な血管収縮作用をもち、あわせて副腎皮質からのアルドステロンの分泌を促進して血圧を上げます。この系を抑える薬(ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬)は、高血圧と心不全の治療に広く用いられます。
主な物質を整理します。血管拡張=二酸化炭素、水素イオン、乳酸、アデノシン、一酸化窒素、プロスタサイクリン、ヒスタミン、ブラジキニン、心房性ナトリウム利尿ペプチド、CGRP。血管収縮=ノルアドレナリン、アンジオテンシンII、バソプレシン、エンドセリン、セロトニン、トロンボキサンA2。
選択肢の確認
1.セロトニン
誤り。血管を収縮させ、痛覚を過敏にします。
2.エンドセリン
誤り。血管内皮由来の強力な血管収縮物質です。
3.二酸化炭素
正しい。局所にたまると血管を拡張させ血流を増やします。
4.アンジオテンシンⅡ
誤り。強力な血管収縮とアルドステロン分泌の促進に働きます。
覚えるポイント
- 血管拡張=二酸化炭素、水素イオン、乳酸、アデノシン、一酸化窒素、ヒスタミン、ブラジキニン。
- 血管収縮=ノルアドレナリン、アンジオテンシンII、バソプレシン、エンドセリン、セロトニン。
- 代謝性の血流調節=代謝産物がたまると局所の血管が拡張し血流が増える。
- 二酸化炭素分圧の上昇→脳血管の拡張→脳血流の増加。過換気ではその逆。