26AM3|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
施術者の倫理について正しいのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
施術者の職業倫理を問う問題です。
解説
守秘義務は、医療と施術に携わる者の最も基本的な倫理であり、あはき法においても法的な義務として定められています。すなわち、正当な理由がなく、業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないとされ、違反すれば30万円以下の罰金に処されます(親告罪)。この義務は、免許を返上した後も、廃業した後も継続します。
研究や学会発表、症例報告といった目的であっても、この義務は免除されません。用いる場合には、個人が特定されないよう匿名化すること、そして本人の同意を得ることが必要です。したがって「業務上知り得た患者の秘密は研究目的であっても漏らしてはならない」が正しく、正答です。
「ヒポクラテスの誓い」は現代には通用しないという記述は誤りです。ヒポクラテスの誓いは、古代ギリシャに由来する医の倫理の原点であり、患者の利益を第一に考えること、危害を加えないこと、守秘義務といった内容を含みます。その精神は現代にも受け継がれ、ジュネーブ宣言(1948年、世界医師会)として現代的に表現し直されています。時代とともに、パターナリズム(父権主義)的な側面は見直され、患者の自律の尊重が重視されるようになりましたが、根本の精神が否定されているわけではありません。
収益向上のためにはQOLは考えなくてもよいという記述も誤りです。**QOL(生活の質)**の向上は、医療と施術が目指すべき中心的な目標です。収益を理由にこれを軽視することは、倫理に反します。
「患者の権利宣言」は日本には適用されないという記述も誤りです。リスボン宣言(1981年、世界医師会)に代表される患者の権利の考え方は、良質な医療を受ける権利、選択の自由、自己決定権、情報を得る権利、守秘義務に対する権利、尊厳を得る権利などを掲げるもので、日本の医療と施術の現場でも当然に尊重されるべきものです。
選択肢の確認
1.業務上知り得た患者の秘密は研究目的であっても漏らしてはならない。
正しい。守秘義務は目的を問わず課され、廃業後も継続します。
2.「ヒポクラテスの誓い」は現代には通用しない。
誤り。その精神はジュネーブ宣言として受け継がれています。
3.収益向上のためにはQOLは考えなくてもよい。
誤り。QOLの向上は医療と施術が目指す中心的な目標です。
4.「患者の権利宣言」は日本には適用されない。
誤り。リスボン宣言の考え方は日本でも尊重されます。
覚えるポイント
- 守秘義務=正当な理由なく業務上の秘密を漏らさない。廃業後も継続。研究でも匿名化と同意が必要。
- ヒポクラテスの誓い=医の倫理の原点。現代版がジュネーブ宣言。
- リスボン宣言=患者の権利(良質な医療、選択の自由、自己決定権、情報、守秘、尊厳)。
- インフォームド・コンセント=十分な説明に基づく同意。施術前の説明が不可欠。