26AM32|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
安静時の熱産生が最も多いのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
安静時の熱産生が最も多い臓器を問う問題です。
解説
肝臓は、体内で最も活発に代謝を行う臓器であり、安静時の熱産生が最も多い臓器です。したがってこれが正答です。
肝臓が行う代謝は多岐にわたります。糖代謝(グリコーゲンの合成と分解、糖新生)、蛋白質代謝(アルブミンと凝固因子の合成、アミノ酸の代謝、尿素の合成)、脂質代謝(コレステロールと胆汁酸の合成、ケトン体の産生)、解毒(薬物と有害物質の代謝、アンモニアの処理)、胆汁の産生、そしてビタミンと鉄の貯蔵です。これらの化学反応に伴って、大量の熱が産生されます。
なお、運動時には骨格筋の熱産生が飛躍的に増大し、全体の大部分を占めるようになります。安静時と運動時で主役が入れ替わる、という点が理解の要点です。また、**ふるえ(シバリング)**は、骨格筋の不随意な収縮によって熱を産生する寒冷時の反応です。
皮膚は、熱産生の場ではなく、むしろ熱を放散する部位です。放熱は、輻射、伝導、対流、蒸発(不感蒸泄と発汗)によって行われ、皮膚血管の拡張と収縮、発汗によって調節されます。体温の調節中枢は視床下部にあります。
腎臓も代謝が活発な臓器ですが、熱産生の総量では肝臓に及びません。腎臓は血流量が非常に多い(心拍出量のおよそ2割)という特徴をもちます。
内臓脂肪は、エネルギーを貯蔵する組織であり、代謝活性は低く、熱産生の主役ではありません。ただし、脂肪組織はアディポサイトカイン(レプチン、アディポネクチン、TNF-α)を分泌する内分泌器官としての側面ももちます。なお、新生児に多い褐色脂肪組織は、脱共役蛋白質によって熱を産生する特殊な組織で、非ふるえ熱産生を担います。
選択肢の確認
1.皮膚
誤り。熱を放散する部位です。
2.腎臓
誤り。代謝は活発ですが、総量では肝臓に及びません。
3.肝臓
正しい。安静時の熱産生が最も多い臓器です。
4.内臓脂肪
誤り。エネルギーを貯蔵する組織で、代謝活性は低くなります。
覚えるポイント
- 安静時の熱産生=肝臓が最大。運動時は骨格筋が主役となる。
- 肝臓の働き=糖代謝、蛋白質合成、尿素の合成、解毒、胆汁の産生、貯蔵。
- 熱の放散=輻射、伝導、対流、蒸発(不感蒸泄と発汗)。皮膚が担う。
- 体温調節中枢=視床下部。寒冷時は**ふるえ(シバリング)**と皮膚血管の収縮。