26AM35|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
単語の記憶に重要な部位を含むのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
4
この問題のポイント
記憶に関わる脳の部位を問う問題です。
解説
大脳辺縁系には、記憶の形成に決定的な役割を果たす海馬が含まれます。したがってこれが正答です。
海馬は、新しい記憶(特にエピソード記憶と単語などの陳述記憶)を一時的に保持し、それを大脳皮質へ送って長期記憶として定着させる働きを担います。海馬が両側で障害されると、**新しいことを覚えられなくなる(前向性健忘)**が生じます。一方で、すでに定着した古い記憶や、体で覚えた技能(手続き記憶)は保たれます。
アルツハイマー型認知症では、この海馬から萎縮が始まるため、**近時記憶の障害(最近の出来事を覚えていない)**が初期から目立ち、古い記憶は比較的保たれるという特徴が生じます。
大脳辺縁系にはこのほか、扁桃体(情動、特に恐怖と不安、そして情動を伴う記憶の強化)、帯状回、乳頭体、海馬傍回が含まれます。なお、ビタミンB1の欠乏によるコルサコフ症候群では、乳頭体と視床の障害によって著しい健忘と作話が生じます。
視床下部は、自律神経と内分泌の最高中枢であり、体温、摂食、飲水、睡眠と覚醒、性行動、そして下垂体の調節を担います。記憶の中枢ではありません。
小脳核は、小脳から出力を送る核で、小脳は**運動の協調、平衡、筋緊張の調節、そして運動の学習(手続き記憶の一部)**に関わります。単語のような陳述記憶を担う部位ではありません。
大脳基底核は、線条体、淡蒼球、視床下核、黒質からなり、随意運動の調節を担います。障害されると、パーキンソン病(固縮、無動、安静時振戦)や不随意運動(舞踏運動、アテトーゼ)が生じます。こちらも陳述記憶の部位ではありません。
記憶の分類を整理します。陳述記憶(言葉で表せる)=エピソード記憶と意味記憶。海馬が関与。非陳述記憶(手続き記憶など)=大脳基底核と小脳が関与します。
選択肢の確認
1.視床下部
誤り。自律神経と内分泌の最高中枢です。
2.小脳核
誤り。運動の協調と平衡、運動の学習に関わります。
3.大脳基底核
誤り。随意運動の調節を担います。
4.大脳辺縁系
正しい。海馬を含み、新しい記憶の形成に関与します。
覚えるポイント
- 海馬(大脳辺縁系)=新しい記憶の形成。障害で前向性健忘。アルツハイマー型認知症で初期から萎縮。
- 扁桃体=情動(恐怖と不安)と情動を伴う記憶。
- 陳述記憶=海馬、手続き記憶=大脳基底核と小脳。
- 視床下部=自律神経と内分泌の最高中枢。大脳基底核=随意運動の調節。