26AM40|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
植物状態を引き起こす障害部位はどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
植物状態の障害部位を問う問題です。
解説
植物状態(遷延性意識障害)は、大脳の広範な障害によって意識の内容(認知、思考、意思の疎通)が失われている一方、脳幹の機能は保たれている状態です。したがって障害部位は大脳であり、これが正答です。
脳幹が保たれているため、自発呼吸があり、心拍と血圧が維持され、体温の調節も行われ、開眼と睡眠・覚醒のリズムがみられます。しかし、意味のある意思の疎通はできず、周囲を認識することもできません。原因としては、低酸素脳症(心停止後、窒息、溺水)、重症の頭部外傷、広範な脳血管障害があります。
これに対し、脳死は、大脳と脳幹を含む脳全体の機能が不可逆的に停止した状態です。脳幹が機能しないため、自発呼吸がなく人工呼吸器が必要であり、脳幹反射も消失します。日本における脳死の判定基準は、深昏睡、瞳孔の固定と散大(左右とも4ミリメートル以上)、脳幹反射の消失、平坦脳波、自発呼吸の消失の五つを、6時間以上の間隔をおいて2回確認するというものです。
すなわち、「植物状態=大脳の障害、脳幹は生きている、自発呼吸あり」「脳死=脳全体の停止、自発呼吸なし」という対比が最も重要な知識です。
中脳は、上丘(視覚反射)、下丘(聴覚)、赤核、黒質を含み、対光反射の中枢もここにあります。中脳の障害では、意識障害とともに除脳硬直や瞳孔の異常が生じます。
延髄は、呼吸中枢、心臓血管中枢、嚥下、嘔吐、咳、くしゃみの中枢を含む「生命中枢」です。障害されると呼吸と循環が維持できなくなり、生命の維持が困難となります。
脊髄の障害では、その高位以下の運動麻痺と感覚障害、膀胱直腸障害が生じますが、意識は保たれます。脊髄の障害で植物状態にはなりません。
選択肢の確認
1.大脳
正しい。大脳の広範な障害により意識の内容が失われます。
2.中脳
誤り。対光反射などの中枢であり、障害では瞳孔の異常が生じます。
3.延髄
誤り。呼吸と循環の中枢であり、生命の維持に直結します。
4.脊髄
誤り。運動と感覚の障害を生じますが、意識は保たれます。
覚えるポイント
- 植物状態=大脳の広範な障害。脳幹は保たれ、自発呼吸あり、開眼と睡眠覚醒のリズムあり。
- 脳死=脳幹を含む脳全体の不可逆的停止。自発呼吸なし、脳幹反射消失、平坦脳波。
- 延髄=呼吸と心臓血管の中枢(生命中枢)。中脳=対光反射の中枢。
- 意識障害の評価=ジャパン・コーマ・スケール(3-3-9度方式)、グラスゴー・コーマ・スケール。