26AM43|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
ヒト免疫不全ウイルスが主に感染する免疫担当細胞はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
HIVが標的とする細胞を問う問題です。
解説
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、細胞表面のCD4分子を受容体として結合し、細胞内に侵入します。したがって主に感染するのは、CD4を発現する**ヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)**であり、これが正答です(そのほかマクロファージと樹状細胞にも感染します)。
ヘルパーT細胞は、免疫応答全体の司令塔にあたる細胞です。抗原提示細胞から情報を受け取り、サイトカインを放出して、B細胞による抗体産生、細胞傷害性T細胞の活性化、マクロファージの活性化を促します。
したがって、この細胞が破壊されると、細胞性免疫と液性免疫の両方が機能しなくなり、免疫系全体が崩壊します。その結果、健常者では問題にならない病原体による日和見感染症(ニューモシスチス肺炎、カンジダ症、サイトメガロウイルス感染症、クリプトコッカス髄膜炎、結核)や、悪性腫瘍(カポジ肉腫、悪性リンパ腫)を発症します。この段階がエイズです。
診断と経過の指標としては、CD4陽性リンパ球数とHIV RNA量(ウイルス量)が用いられます。現在は抗レトロウイルス療法によってウイルスの増殖を抑え、CD4数を回復させることで、発症を防ぎ通常に近い生活を送ることが可能になっています。
B細胞は、抗体(免疫グロブリン)を産生する細胞で、液性免疫を担います。CD4をもたないため、HIVの主な標的ではありません。
**細胞傷害性T細胞(CD8陽性T細胞)**は、ウイルス感染細胞や腫瘍細胞を直接攻撃する細胞で、細胞性免疫の実行役です。CD8を発現するため、HIVの主な標的ではありません。むしろHIV感染細胞を攻撃する側です。
NK細胞は、抗原提示を受けずに感染細胞と腫瘍細胞を攻撃する自然免疫の細胞です。こちらもHIVの主な標的ではありません。
選択肢の確認
1.B細胞
誤り。抗体を産生する細胞で、液性免疫を担います。
2.ヘルパーT細胞
正しい。CD4を受容体としてHIVが感染します。
3.細胞傷害性T細胞
誤り。CD8陽性であり、感染細胞を攻撃する側です。
4.NK細胞
誤り。自然免疫を担う細胞です。
覚えるポイント
- HIV=CD4を受容体とし、ヘルパーT細胞に感染する。マクロファージにも感染。
- ヘルパーT細胞=免疫の司令塔。破壊されると細胞性免疫と液性免疫の両方が破綻する。
- エイズ=日和見感染症(ニューモシスチス肺炎、カンジダ症)と悪性腫瘍(カポジ肉腫)。
- 感染経路=性行為、血液、母子感染。日常的な接触では感染しない。