26AM44|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
生命予後が良好なのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
良性腫瘍と悪性腫瘍を区別し、予後を判断する問題です。
解説
線維腫は、線維芽細胞と膠原線維からなる非上皮性(間葉系)の良性腫瘍です。膨張性に発育し、被膜をもち境界が明瞭で、転移しません。周囲を圧迫することはあっても、切除すれば治癒し、生命を脅かすことは通常ありません。したがって生命予後が良好なものとしてこれが正答です。
中皮腫(悪性中皮腫)は、胸膜、腹膜、心膜を覆う中皮から生じる悪性腫瘍です。石綿(アスベスト)の曝露との関連が極めて強く、曝露から30年から40年という長い潜伏期を経て発症します。診断が難しく、発見時にはすでに進行していることが多いため、予後は極めて不良です。石綿を扱った労働者に多く、労災と救済の対象となっています。
膠芽腫(膠芽細胞腫)は、脳の神経膠細胞(グリア細胞)から生じる悪性腫瘍で、原発性脳腫瘍の中で最も悪性度が高いもののひとつです。浸潤性に発育するため完全な切除が困難で、手術、放射線療法、化学療法を組み合わせても、生存期間は限られます。予後は極めて不良です。
白血病は、造血器の悪性腫瘍で、骨髄で白血病細胞が異常に増殖して正常な造血を妨げます。その結果、貧血、出血傾向、易感染性が生じます。急性と慢性、骨髄性とリンパ性に分類されます。近年は化学療法、分子標的薬(慢性骨髄性白血病に対するチロシンキナーゼ阻害薬など)、造血幹細胞移植の進歩によって治療成績が大きく改善しましたが、良性腫瘍とは比べるべくもなく、予後は病型と時期によって大きく異なります。
良性と悪性の違いを整理します。良性=発育が緩やか、膨張性発育、被膜あり、境界が明瞭、転移しない、異型性が乏しい、生命への影響が少ない。悪性=発育が速い、浸潤性発育、被膜がなく境界が不明瞭、転移する、異型性が強い、悪液質をきたす。
選択肢の確認
1.線維腫
正しい。非上皮性の良性腫瘍であり、転移しません。
2.中皮腫
誤り。石綿曝露に関連する悪性腫瘍で、予後は極めて不良です。
3.膠芽腫
誤り。最も悪性度の高い脳腫瘍のひとつです。
4.白血病
誤り。造血器の悪性腫瘍です。
覚えるポイント
- 良性=膨張性発育、被膜あり、転移しない。悪性=浸潤性発育、転移する、悪液質。
- 中皮腫=石綿(アスベスト)。潜伏期が30から40年と長く、予後は極めて不良。
- 膠芽腫=神経膠細胞由来、原発性脳腫瘍で最も悪性度が高い。
- 白血病=造血器の悪性腫瘍。貧血、出血傾向、易感染性。