26AM52|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
低身長となる疾患はどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
低身長をきたす疾患を問う問題です。
解説
下垂体前葉機能不全症では、下垂体前葉から分泌される成長ホルモンが不足します。成長ホルモンは、肝臓でのIGF-1(ソマトメジンC)の産生を介して骨端軟骨における骨の成長を促すため、小児期にこれが不足すると**低身長(下垂体性小人症)**となります。したがってこれが正答です。
成長ホルモン分泌不全性低身長症の特徴は、身長の伸びが悪い一方で、体型のバランスは保たれる(頭が大きく手足が短いといった不均衡がない)こと、そして知能は正常であることです。早期に診断して成長ホルモンの補充療法を行えば、身長の改善が期待できます。
なお、下垂体前葉機能不全では、成長ホルモンのほかに、ACTH(コルチゾール低下)、TSH(甲状腺ホルモン低下)、性腺刺激ホルモン(性腺機能低下)、プロラクチンも不足しうるため、全身の症状が現れます。
マルファン症候群は、結合組織の主要な成分であるフィブリリンの遺伝子異常による常染色体優性遺伝疾患です。高身長、細く長い四肢と指(クモ状指)、水晶体亜脱臼、漏斗胸、側弯、関節の過可動性を特徴とします。最も重大な問題は大動脈の拡張と解離であり、突然死の原因となるため、定期的な心臓の評価が必要です。低身長とは逆の所見です。
シーハン症候群は、分娩時の大量出血によって下垂体が虚血性の壊死に陥り、下垂体前葉機能低下症をきたすものです。産後に乳汁が出ない(プロラクチン不足)、無月経、倦怠感、低血圧、低血糖といった症状が現れます。しかし、発症するのは**成人(出産後)**であり、すでに骨端線が閉鎖しているため、低身長にはなりません。「成長ホルモンが不足する時期」が身長に影響するかどうかを分ける、という点が要点です。
バセドウ病は甲状腺機能亢進症であり、代謝が亢進します。小児期に発症した場合、成長はむしろ促進されることがあります。低身長をきたすのは、逆に甲状腺機能低下症(クレチン症)であり、こちらは低身長に加えて知能障害を伴うため、新生児マススクリーニングの対象となっています。
選択肢の確認
1.マルファン症候群
誤り。高身長とクモ状指、大動脈の拡張が特徴です。
2.シーハン症候群
誤り。成人発症のため低身長にはなりません。
3.下垂体前葉機能不全症
正しい。成長ホルモンの不足により低身長となります。
4.バセドウ病
誤り。代謝の亢進により成長はむしろ促進されます。
覚えるポイント
- 成長ホルモンの不足(小児期)=低身長。体型のバランスと知能は保たれる。補充療法が有効。
- シーハン症候群=分娩時の大量出血による下垂体壊死。成人発症のため低身長にならない。
- マルファン症候群=高身長、クモ状指、水晶体亜脱臼、大動脈解離。
- 先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)=低身長+知能障害。新生児マススクリーニングの対象。