26AM61|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
中皮腫と関連するのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
中皮腫の原因となる曝露を問う問題です。
解説
**中皮腫(悪性中皮腫)は、胸膜、腹膜、心膜を覆う中皮から生じる悪性腫瘍で、その最大の原因はアスベスト(石綿)**の曝露です。したがってこれが正答です。
アスベストは、耐熱性と耐久性に優れ、断熱材、建材、ブレーキ材として広く使われてきた鉱物繊維です。しかし、吸入した繊維が肺と胸膜に長く残留して慢性の刺激を与え、次の疾患を引き起こすことが明らかとなり、現在は日本を含む多くの国で製造と使用が禁止されています。
アスベストによる健康障害は次のとおりです。石綿肺(じん肺の一種)、悪性中皮腫、肺癌、そして胸膜プラーク(石灰化した胸膜の肥厚)と良性石綿胸水です。
最も重要な特徴は、潜伏期が極めて長いことです。中皮腫では曝露からおよそ30年から40年を経て発症します。そのため、過去に建設業、造船業、断熱工事、解体作業に従事した人が、退職後に発症する例が続いています。診断時にはすでに進行していることが多く、予後は極めて不良です。また、喫煙との相乗効果によって肺癌の危険が著しく高まることも知られています。
労災補償に加えて、石綿健康被害救済法による救済制度が設けられており、労災の対象とならない周辺住民や家族(作業着を通じた曝露)も救済されます。
塩蔵食品は、胃癌の危険因子として知られています。塩分の高い食品が胃粘膜を傷害し、ヘリコバクター・ピロリの感染とあいまって発癌に関与します。
アルコールは、食道癌、肝癌、口腔・咽頭癌、乳癌の危険因子です。中皮腫との関連は知られていません。
アセトアルデヒドは、アルコールの代謝産物で、食道癌の危険因子として重要です。分解する酵素の働きが弱い人(飲酒で顔が赤くなる体質)では、食道癌の危険が特に高まります。
選択肢の確認
1.塩蔵食品
誤り。胃癌の危険因子です。
2.アルコール
誤り。食道癌、肝癌などの危険因子です。
3.アスベスト
正しい。中皮腫の最大の原因となる曝露です。
4.アセトアルデヒド
誤り。食道癌の危険因子です。
覚えるポイント
- 中皮腫=アスベスト(石綿)。潜伏期は30から40年と極めて長く、予後は不良。
- アスベストによる健康障害=石綿肺、中皮腫、肺癌、胸膜プラーク。喫煙との相乗効果。
- 建設業、造船業、解体作業の職歴を確認する。石綿健康被害救済法による救済制度がある。
- 主な発癌因子=喫煙(肺癌)、塩蔵食品とピロリ菌(胃癌)、アルコールとアセトアルデヒド(食道癌)、HPV(子宮頸癌)、肝炎ウイルス(肝癌)。