26AM62|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
肺癌について正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
肺癌の疫学と特徴を問う問題です。
解説
受動喫煙は危険因子であるが正しく、正答です。
受動喫煙(他人のたばこの煙にさらされること)は、肺癌の危険を高めることが科学的に確立しています。副流煙には、主流煙よりも高い濃度で有害物質が含まれるものもあり、非喫煙者であっても健康被害を受けます。受動喫煙は肺癌のほか、**虚血性心疾患、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患、小児の喘息と中耳炎、乳幼児突然死症候群(SIDS)**の危険も高めます。この事実を背景として、健康増進法が改正され、多数の者が利用する施設での喫煙が原則禁止されました。
死亡数は女性が多いという記述は誤りです。肺癌による死亡数は、男性が女性のおよそ2から3倍と多く、日本において男性の癌死亡の第1位を占めます(女性では大腸癌に次ぐ位置にあります)。喫煙率の男女差が主な理由です。
骨転移はまれであるという記述も誤りです。肺癌は転移をきたしやすい癌であり、骨、脳、肝、副腎、対側の肺が主な転移先です。骨転移は頻度が高く、強い骨痛、病的骨折、脊髄圧迫による麻痺、高カルシウム血症を引き起こします。したがって、癌の既往がある患者の新たに生じた強い背部痛や腰痛、特に安静時痛と夜間痛は、骨転移を疑って直ちに医療機関へ紹介すべき所見です。施術の場でも必ず念頭に置くべき点です。
小細胞癌が最も多いという記述も誤りです。肺癌の組織型の中で最も多いのは腺癌(およそ半数)で、非喫煙者と女性にも生じ、肺の末梢に発生しやすいという特徴があります。次いで扁平上皮癌(喫煙との関連が強く、肺門部に発生しやすい)、大細胞癌、そして小細胞癌(およそ1割強)の順です。小細胞癌は、喫煙との関連が極めて強く、増殖が速く早期に転移する一方、化学療法と放射線療法に感受性が高いという特徴をもち、手術ではなくこれらが治療の中心となります。また、**ADHやACTHの異所性産生(腫瘍随伴症候群)**をきたすことでも知られます。
選択肢の確認
1.死亡数は女性が多い。
誤り。男性が女性の2から3倍多くなります。
2.骨転移はまれである。
誤り。骨転移は頻度が高く、骨痛と病的骨折を起こします。
3.小細胞癌が最も多い。
誤り。最も多いのは腺癌です。
4.受動喫煙は危険因子である。
正しい。肺癌の危険を高めることが確立しています。
覚えるポイント
- 受動喫煙=肺癌、虚血性心疾患、脳卒中、COPD、小児喘息、SIDSの危険を高める。
- 肺癌の組織型=腺癌が最多(非喫煙者と女性にも、末梢)。小細胞癌は増殖が速く転移しやすいが化学・放射線療法に感受性が高い。
- 転移先=骨、脳、肝、副腎。骨転移による強い夜間痛と安静時痛は緊急に紹介。
- 肺癌は男性の癌死亡の第1位。最大の危険因子は喫煙。