26AM66|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
呼吸器感染症について正しいのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
呼吸器感染症の予防と診断に関する知識を問う問題です。
解説
65歳以上の高齢者には肺炎球菌ワクチンが推奨されているが正しく、正答です。
肺炎球菌は、成人の市中肺炎の最も主要な原因菌であり、髄膜炎と菌血症も引き起こします。高齢者では肺炎が重症化しやすく、肺炎は日本人の死因の上位を占めるため、その予防は極めて重要です。日本では、65歳以上を対象とする23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチンが予防接種法のB類疾病として定期接種の対象となっています(小児には13価結合型ワクチンがA類疾病として定期接種されます)。あわせてインフルエンザワクチンの接種も推奨され、両者を組み合わせることで肺炎の予防効果が高まります。
上気道炎の治療は主に抗菌薬であるという記述は誤りです。上気道炎(いわゆるかぜ症候群)の大部分はウイルス性であり、抗菌薬は無効です。不必要な抗菌薬の使用は、副作用(下痢、アレルギー)と薬剤耐性菌の増加を招くため、避けるべきとされています(抗菌薬適正使用)。治療は対症療法と安静、水分の補給が基本です。ただし、溶連菌性咽頭炎のように細菌が原因と判断される場合には抗菌薬が用いられます。
インターフェロンγ遊離試験は非結核性抗酸菌症で陽性となるという記述も誤りです。インターフェロンγ遊離試験(IGRA、クオンティフェロンやTスポット)は、結核菌に特異的な抗原に対する反応をみる検査です。したがって、BCG接種の影響を受けず、また大部分の非結核性抗酸菌症でも陽性となりません。この特異性の高さが、ツベルクリン反応に比べた大きな利点です。
日本の結核患者数は先進国の中では少ないという記述も誤りです。日本の結核罹患率は長らく**先進国の中では高い水準(中蔓延国)**にありました。近年は改善が進み低蔓延国の水準に近づいていますが、高齢者における既感染からの再燃、そして外国出生者における発病が課題として残っています。「結核は過去の病気ではない」という認識が重要で、2週間以上続く咳があれば結核を疑う姿勢が求められます。
選択肢の確認
1.上気道炎の治療は主に抗菌薬である。
誤り。大部分はウイルス性であり抗菌薬は無効です。
2.65歳以上の高齢者には肺炎球菌ワクチンが推奨されている。
正しい。予防接種法のB類疾病として定期接種の対象です。
3.インターフェロンγ遊離試験は非結核性抗酸菌症で陽性となる。
誤り。結核菌に特異的な検査であり、陽性となりません。
4.日本の結核患者数は先進国の中では少ない。
誤り。長らく先進国の中では高い水準にありました。
覚えるポイント
- 65歳以上=肺炎球菌ワクチン(23価)とインフルエンザワクチンが推奨(B類疾病)。
- 上気道炎の大部分はウイルス性。抗菌薬は不要(抗菌薬適正使用、耐性菌の抑制)。
- IGRA(クオンティフェロン)=結核菌に特異的。BCGの影響を受けない。
- 日本の結核=高齢者の再燃が中心。2週間以上の咳で結核を疑う。