26AM67|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
狭心症について正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
狭心症の病態と診断、治療を問う問題です。
解説
心エコー検査で心臓の動きは正常であるが正しく、正答です。
狭心症は、冠動脈の狭窄によって心筋が一過性の虚血に陥る状態です。虚血は一時的であり、心筋の壊死には至らないため、発作が治まれば心筋の収縮は元に戻ります。したがって、発作が起きていないときに行う心エコー検査では、心臓の壁の動きは正常です。
これに対し、心筋梗塞では心筋が壊死するため、その部位の壁運動が永続的に低下または消失します(壁運動異常)。この違いが、両者を区別する重要な点です。なお、狭心症の診断には、運動負荷心電図(発作を誘発してST低下をみる)、ホルター心電図、冠動脈CT、心筋シンチグラフィ、冠動脈造影が用いられます。
異型狭心症は日中に起こりやすいという記述は誤りです。異型狭心症(冠攣縮性狭心症)は、冠動脈の攣縮(スパズム)によって生じるもので、安静時、特に夜間から早朝に起こりやすいという特徴があります。労作とは無関係に発症し、心電図では発作時にST上昇を示します。喫煙と飲酒が誘因となり、治療にはカルシウム拮抗薬が用いられます。日本人に比較的多いことも知られています。
狭心痛は大動脈壁の内膜に生じた亀裂に血液が流入することで生じるという記述も誤りです。これは大動脈解離の説明です。大動脈解離は、突然の引き裂かれるような激しい胸背部痛で発症し、痛みが移動することがあり、左右の血圧差を伴うこともある、極めて緊急性の高い病態です。狭心症の機序は、冠動脈の狭窄による心筋の酸素需給の不均衡です。
発作時の治療に抗血小板薬が用いられるという記述も誤りです。発作時にはニトログリセリン(硝酸薬)の舌下投与またはスプレーが用いられ、冠動脈と静脈を拡張させて速やかに症状を改善します。抗血小板薬(アスピリンなど)は、血栓の形成を防いで心筋梗塞への進展を予防するために継続して用いる薬であり、発作時の即効性を期待するものではありません。
なお、安静時にも起こる、頻度が増す、持続が長くなるといった変化がみられる不安定狭心症は、心筋梗塞へ移行する危険が高く、直ちに医療機関へ紹介すべき状態です。
選択肢の確認
1.異型狭心症は日中に起こりやすい。
誤り。安静時、特に夜間から早朝に起こりやすくなります。
2.狭心痛は大動脈壁の内膜に生じた亀裂に血液が流入することで生じる。
誤り。これは大動脈解離の説明です。
3.心エコー検査で心臓の動きは正常である。
正しい。心筋は壊死しないため壁運動は保たれます。
4.発作時の治療に抗血小板薬が用いられる。
誤り。発作時はニトログリセリンの舌下投与です。
覚えるポイント
- 狭心症=一過性の虚血。心筋は壊死せず、壁運動は正常。心筋梗塞では壁運動異常が残る。
- 異型狭心症(冠攣縮性)=夜間から早朝の安静時、ST上昇、カルシウム拮抗薬。
- 発作時=ニトログリセリンの舌下。予防=抗血小板薬、β遮断薬、スタチン。
- 不安定狭心症(安静時にも起こる、頻度と持続が増す)=直ちに医療機関へ。