26AM68|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
僧帽弁狭窄症について正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
僧帽弁狭窄症の原因と病態、合併症を問う問題です。
解説
心房細動の合併が多いが正しく、正答です。
僧帽弁狭窄症では、左心房から左心室へ血液が流れにくくなるため、左心房に圧がかかって拡大します。心房が引き伸ばされると電気的な安定性が失われ、心房細動が生じやすくなります。
心房細動が生じると、次の二つの問題が加わります。第一に、心房の収縮による心室への血液の押し込み(心房収縮の寄与)が失われるため、心拍出量がさらに低下します。第二に、拡大した左心房内で血流がよどみ、血栓(特に左心耳)が形成されるため、これが飛んで**脳塞栓(心原性脳塞栓症)**を起こします。心原性脳塞栓症は広範な梗塞をきたしやすく重篤であるため、抗凝固療法による予防が極めて重要です。
男性に多いという記述は誤りです。僧帽弁狭窄症は女性に多い(およそ2対1から3対1)ことが知られています。
先天性が多いという記述も誤りです。僧帽弁狭窄症の原因の大部分は、リウマチ熱の後遺症(リウマチ性)です。リウマチ熱は、A群β溶血性連鎖球菌の咽頭感染の後に、交差反応によって心臓、関節、皮膚、中枢神経が侵される疾患です。抗菌薬の普及によってリウマチ熱そのものが激減したため、現在では僧帽弁狭窄症の新規の発症も大きく減りました。したがって、現在みられるのは過去に感染した高齢者が中心です。
心拍出量が増加するという記述も誤りです。狭窄によって左心室へ流入する血液が減るため、心拍出量は低下します。その結果、易疲労、労作時の息切れが生じます。また、左心房の圧が上昇して肺うっ血が生じ、労作時呼吸困難、起坐呼吸、血痰をきたします。さらに進行すると肺高血圧から右心不全(頸静脈怒張、肝腫大、下腿浮腫)に至ります。
聴診所見としては、心尖部での拡張期ランブル(遠雷様の雑音)と僧帽弁開放音、I音の亢進が特徴的です。
選択肢の確認
1.男性に多い。
誤り。女性に多い疾患です。
2.先天性が多い。
誤り。大部分はリウマチ熱の後遺症です。
3.心拍出量が増加する。
誤り。狭窄により心拍出量は低下します。
4.心房細動の合併が多い。
正しい。左心房の拡大によって生じ、脳塞栓の原因となります。
覚えるポイント
- 僧帽弁狭窄症=リウマチ熱の後遺症が大部分。女性に多い。抗菌薬の普及で激減。
- 病態=左心房の拡大→心房細動→左心耳の血栓→心原性脳塞栓症。抗凝固療法が重要。
- 症状=労作時呼吸困難、肺うっ血、血痰、進行すると肺高血圧と右心不全。
- 聴診=心尖部の拡張期ランブル、僧帽弁開放音、I音の亢進。