26AM69|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
ホルネル症候群がみられやすいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1
この問題のポイント
ホルネル症候群が生じる解剖学的な条件から、該当する疾患を選ぶ問題です。
解説
ホルネル症候群は、頸部交感神経の経路が障害されることで生じる症候群で、患側に次の所見が現れます。縮瞳、眼瞼下垂(上眼瞼板筋の麻痺による軽度のもの)、眼裂狭小、眼球陥凹、そして患側顔面の発汗低下と紅潮です。
交感神経の経路は、視床下部から始まり、脳幹と頸髄を下って**上位胸髄(T1からT2)**から出て、**交感神経幹(星状神経節、上頸神経節)**を経て、内頸動脈に沿って眼へ向かいます。したがって、この経路のどこかが障害されればホルネル症候群が生じます。
食道癌は、後縦隔に位置する食道から発生し、進行すると周囲へ浸潤します。縦隔には交感神経幹が走行しているため、これが侵されるとホルネル症候群が生じます。したがってこれが正答です。また、食道の周囲を走る反回神経が侵されると嗄声が、気管や気管支へ浸潤すれば咳や呼吸困難が生じます。食道癌の主な症状は、嚥下時のつかえ感、嚥下困難、体重減少、胸骨後部の痛みであり、危険因子は飲酒(特にアセトアルデヒドの分解が弱い体質)と喫煙、熱い飲食物です。
胃癌は、上腹部に位置する臓器から発生します。転移としては、リンパ行性の左鎖骨上窩リンパ節転移(ウィルヒョウ転移)、播種性の**卵巣転移(クルーケンベルグ腫瘍)**とダグラス窩への転移(シュニッツラー転移)が知られていますが、頸部交感神経を直接侵すものではありません。
大腸癌は、腹腔内の下部消化管に位置し、頸部交感神経とは離れています。症状は、血便、便通の異常、腹痛、貧血、腸閉塞です。
肝臓癌も、右上腹部の臓器であり、頸部交感神経の経路とは無関係です。
なお、ホルネル症候群をきたす代表的な疾患としては、食道癌のほかに、肺尖部の肺癌(パンコースト腫瘍)、頸部の外傷と手術、内頸動脈解離、**延髄外側症候群(ワレンベルグ症候群)**があります。
選択肢の確認
1.食道癌
正しい。後縦隔にあり、進行すると交感神経幹を侵します。
2.胃癌
誤り。ウィルヒョウ転移などをきたしますが、交感神経は侵しません。
3.大腸癌
誤り。頸部交感神経とは無関係です。
4.肝臓癌
誤り。頸部交感神経の経路とは離れています。
覚えるポイント
- ホルネル症候群=縮瞳、眼瞼下垂、眼裂狭小、眼球陥凹、患側顔面の発汗低下。頸部交感神経の障害。
- 原因=肺尖部の肺癌(パンコースト腫瘍)、食道癌、頸部の外傷と手術、内頸動脈解離、ワレンベルグ症候群。
- 食道癌=嚥下困難、体重減少。危険因子は飲酒と喫煙、熱い飲食物。
- 胃癌の転移=ウィルヒョウ転移(左鎖骨上窩)、クルーケンベルグ腫瘍(卵巣)、シュニッツラー転移。