26AM71|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
甲状腺機能低下症でみられるのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
甲状腺機能低下症の症状を、亢進症と対比して問う問題です。
解説
粘液水腫が正しく、正答です。
粘液水腫は、甲状腺ホルモンの不足によってムコ多糖類(ヒアルロン酸など)が皮下組織に沈着することで生じる浮腫です。通常の浮腫と異なり、**指で押しても圧痕が残らない(非圧痕性)**という特徴をもちます。顔面、特に眼瞼の腫れぼったさ、舌の肥大、嗄声(声帯の浮腫)として現れます。
甲状腺機能低下症の症状は、全身の代謝が低下することによって生じます。寒がり、体重増加、便秘、徐脈、無気力と易疲労、動作の緩慢、記憶力と思考力の低下、脱毛(眉毛の外側3分の1が薄くなる)、皮膚の乾燥、嗄声、月経過多です。原因としては、**橋本病(慢性甲状腺炎、自己免疫性)**が最も多く、そのほか甲状腺の手術後、放射性ヨウ素治療後、薬剤性があります。検査では、原発性の場合、甲状腺ホルモン(FT4)が低値でTSHが高値となります。治療は甲状腺ホルモン薬の補充です。
頻脈は、甲状腺機能亢進症の症状です。甲状腺ホルモンが心臓に働いて心拍数と心収縮力を高めるためで、進行すると心房細動を合併します。低下症では徐脈となります。
眼球突出も、甲状腺機能亢進症、特にバセドウ病に特徴的な症状です。メルゼブルグの三主徴は、眼球突出、甲状腺腫大、頻脈です。眼球突出は、眼窩の後方の組織に自己免疫性の炎症が起こって容積が増すために生じるもので、甲状腺ホルモンの値と必ずしも並行しません。
発汗過多も、甲状腺機能亢進症の症状です。代謝が亢進して熱産生が増えるため、暑がり、多汗、体重減少、手指の振戦、下痢、いらいら、不眠がみられます。
すなわち、選択肢1、2、4はいずれも亢進症の症状であり、選択肢3のみが低下症の症状です。
選択肢の確認
1.頻脈
誤り。甲状腺機能亢進症の症状です。低下症では徐脈です。
2.眼球突出
誤り。バセドウ病(亢進症)の特徴的な症状です。
3.粘液水腫
正しい。ムコ多糖類の沈着による非圧痕性の浮腫です。
4.発汗過多
誤り。代謝の亢進による症状です。
覚えるポイント
- 甲状腺機能低下症=寒がり、体重増加、便秘、徐脈、無気力、粘液水腫、脱毛。原因の多くは橋本病。
- 粘液水腫=押しても圧痕が残らない浮腫。ムコ多糖類の沈着による。
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)=眼球突出、甲状腺腫大、頻脈(メルゼブルグの三主徴)、暑がり、多汗、体重減少、手指振戦。
- 検査=原発性の低下症はFT4低値、TSH高値。亢進症はFT4高値、TSH低値。