26AM75|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「50歳の男性。主訴は下肢の浮腫。血液検査は総蛋白5.2g/dL、アルブミン2.5g/dL、総コレステロール280mg/dL。尿検査は尿糖3+、尿蛋白4+であった。」下肢浮腫の触診部位で最も適切なのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1
この問題のポイント
浮腫の触診を行う部位を問う問題です。
50歳男性、下肢の浮腫、総蛋白5.2、アルブミン2.5、総コレステロール280、尿蛋白4プラスという所見です。
解説
浮腫の診察では、皮下組織が薄く、その直下に硬い骨がある部位を指で数秒間圧迫し、圧痕(へこみ)が残るかどうかを確認します。骨という「当て板」があることで圧が確実に組織に伝わり、圧痕が明瞭に観察できるためです。
脛骨前面は、皮膚と骨の間に筋がほとんどなく、脛骨の前縁が皮下のすぐ下にあるため、浮腫の触診に最も適した部位です。したがってこれが正答です。実際の診察では、脛骨前面(下腿の前面中央から下方)を母指で5から10秒ほど押し、圧痕の深さと戻るまでの時間を評価します。臥床している患者では、体液が背側に移動するため、仙骨部も観察部位となります。
内果も骨が浅い部位であり、足背とともに浮腫の観察に用いられることはありますが、最も標準的な部位は脛骨前面です。
外果も同様に、標準的な浮腫の触診部位としては挙げられません。
アキレス腱の部位は、腱そのものが硬い組織であり、皮下組織の状態を評価するには適しません。
なお、この症例の検査所見を確認します。尿蛋白4プラス、低蛋白血症(総蛋白5.2グラム毎デシリットル)、低アルブミン血症(2.5グラム毎デシリットル)、高コレステロール血症(280ミリグラム毎デシリットル)、そして浮腫という組合せは、ネフローゼ症候群の典型的な所見です。ネフローゼ症候群の診断基準は、一日3.5グラム以上の蛋白尿と血清アルブミン3.0グラム毎デシリットル以下であり、浮腫と脂質異常症は参考所見とされます。
選択肢の確認
1.脛骨前面
正しい。皮下のすぐ下に骨があり、圧痕を確認しやすい部位です。
2.内果
誤り。観察されることもありますが、標準的な部位ではありません。
3.外果
誤り。標準的な触診部位ではありません。
4.アキレス腱
誤り。腱そのものであり、皮下組織の評価に適しません。
覚えるポイント
- 浮腫の触診=脛骨前面を数秒間圧迫し、圧痕の有無をみる。骨が浅い部位を選ぶ。
- 臥床患者では仙骨部も観察する。体液が背側に移動するため。
- 非圧痕性の浮腫=甲状腺機能低下症の粘液水腫、リンパ浮腫(進行例)。
- この症例=ネフローゼ症候群(大量の蛋白尿、低アルブミン血症、浮腫、脂質異常症)。