26AM76第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第26回午前(科目未分類)

次の文で示す症例について、問いに答えよ。「50歳の男性。主訴は下肢の浮腫。血液検査は総蛋白5.2g/dL、アルブミン2.5g/dL、総コレステロール280mg/dL。尿検査は尿糖3+、尿蛋白4+であった。」本症例でみられる浮腫の主な原因はどれか。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

ネフローゼ症候群における浮腫の機序を問う問題です。

解説

前問と同じ症例で、尿蛋白4プラス、低蛋白血症、低アルブミン血症、高コレステロール血症、浮腫という所見から、ネフローゼ症候群と判断されます。

浮腫の機序を確認します。ネフローゼ症候群では、糸球体の障害によって大量の蛋白質(主にアルブミン)が尿へ漏れ出し、その結果血中のアルブミンが減少します。

アルブミンは、血漿の膠質浸透圧を生み出す中心的な蛋白質で、水を血管内に引き止める働きをしています。したがって、アルブミンが減ると血漿膠質浸透圧が低下し、水が血管内にとどまれずに間質へ移動して浮腫が生じます。したがってこれが正答です。

さらに、血管内の水分が減ることで循環血液量が低下し、それを感知した腎がレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を活性化させてナトリウムと水を貯留するため、浮腫がいっそう強まります。治療では、原因疾患に対する治療(副腎皮質ステロイド薬など)に加えて、塩分の制限と利尿薬が用いられます。

静水圧の上昇は、毛細血管内圧の上昇による浮腫の機序です。心不全、静脈血栓症、下肢静脈瘤による浮腫がこれにあたります。この症例の中心的な機序ではありません。

血管透過性亢進は、炎症、アレルギー、熱傷、敗血症によって血管壁の透過性が高まり、血漿成分が漏れ出す機序です。局所の炎症性浮腫や、じんま疹の膨疹がこれにあたります。

リンパ液のうっ滞は、リンパ浮腫の機序です。乳癌や子宮癌の手術におけるリンパ節の郭清、放射線療法、フィラリア症によって生じます。組織間質の蛋白質濃度が高くなるため、進行すると押しても圧痕が残りにくくなり、皮膚が硬く厚くなります。

浮腫の四つの機序(静水圧の上昇、膠質浸透圧の低下、血管透過性の亢進、リンパ還流の障害)を軸に、原因疾患を整理して覚えることが重要です。

選択肢の確認

1.静水圧の上昇
誤り。心不全や静脈のうっ滞による機序です。

2.血漿膠質浸透圧の低下
正しい。低アルブミン血症により水を血管内に保てなくなります。

3.血管透過性亢進
誤り。炎症やアレルギーによる機序です。

4.リンパ液のうっ滞
誤り。リンパ節郭清後などのリンパ浮腫の機序です。

覚えるポイント

  • ネフローゼ症候群大量の蛋白尿→低アルブミン血症→膠質浸透圧の低下→浮腫
  • 診断基準=一日3.5グラム以上の蛋白尿血清アルブミン3.0グラム毎デシリットル以下
  • 浮腫の四機序=静水圧の上昇(心不全)、膠質浸透圧の低下(ネフローゼ、肝硬変)、透過性亢進(炎症)、リンパ還流障害
  • 治療=原因への治療、塩分制限、利尿薬。感染と血栓症の合併に注意する。
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