26AM77第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第26回午前(科目未分類)

次の文で示す症例について、問いに答えよ。「40歳の女性。数年前より手指のこわばりを自覚していた。最近、症状の増悪と手指の関節痛、腫脹が認められ来院した。冷たいものに触ると手指が白くなることがある。検査では抗トポイソメラーゼI抗体(抗SCL-70)が陽性であった。」本症例の手指の所見はどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

**全身性硬化症(強皮症)**を診断し、手指の所見を答える問題です。

40歳女性、手指のこわばり、関節痛と腫脹、冷たいものに触ると手指が白くなる抗トポイソメラーゼI抗体(抗Scl-70抗体)陽性という所見を統合します。

解説

抗Scl-70抗体(抗トポイソメラーゼI抗体)は、全身性硬化症(強皮症)、特にびまん皮膚硬化型に特異的な自己抗体です。この所見から診断はほぼ確定します。

レイノー現象は、寒冷や精神的ストレスによって手指の細動脈が発作的に攣縮し、指先の色が白→紫(青)→赤と三相性に変化する現象です。しびれ、冷感、痛みを伴い、温めると回復します。全身性硬化症ではほぼ全例にみられ、しばしば初発症状となります。したがってこれが正答です。

レイノー現象は、全身性硬化症のほか、SLE、混合性結合組織病、皮膚筋炎、シェーグレン症候群といった膠原病でみられるほか、振動障害(白ろう病)胸郭出口症候群、閉塞性動脈疾患、薬剤性でも生じます。対応としては、保温(手袋、体幹の保温)禁煙、寒冷とストレスを避けることが基本で、重症例では血管拡張薬が用いられます。鍼灸では、末梢循環の改善を目的とした施術が行われることがありますが、皮膚が硬化し血流が乏しい部位では創傷治癒が遅れ、潰瘍を生じやすいため、刺激量と衛生管理に特に注意が必要です。

ゴットロン徴候は、手指の関節背面(MP関節、PIP関節、DIP関節)に生じる紅色から紫紅色の角化性の皮疹で、皮膚筋炎に特徴的な所見です。皮膚筋炎ではあわせて、上眼瞼のヘリオトロープ疹近位筋の筋力低下、そして悪性腫瘍の合併(特に中高年発症例)に注意が必要です。

ばち指は、指先が膨らみ爪が丸く盛り上がる所見で、慢性の低酸素状態(慢性肺疾患、チアノーゼ性心疾患)を示します。

**スプーン状爪(匙状爪)**は、爪が反り返ってスプーンのようにへこむ所見で、鉄欠乏性貧血に特徴的です。

選択肢の確認

1.ゴットロン徴候
誤り。皮膚筋炎に特徴的な手指関節背面の皮疹です。

2.ばち指
誤り。慢性の低酸素状態を示します。

3.レイノー現象
正しい。全身性硬化症のほぼ全例にみられ、初発症状となります。

4.スプーン状爪
誤り。鉄欠乏性貧血に特徴的です。

覚えるポイント

  • 抗Scl-70抗体(抗トポイソメラーゼI抗体)=全身性硬化症(びまん皮膚硬化型)。
  • レイノー現象=寒冷やストレスで指先が白→紫→赤と変化。全身性硬化症のほぼ全例、初発症状。
  • 対応=保温と禁煙、寒冷とストレスを避ける。硬化した皮膚では潰瘍と治癒遅延に注意。
  • ゴットロン徴候とヘリオトロープ疹=皮膚筋炎スプーン状爪=鉄欠乏性貧血
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