26PM111|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
鍼の深刺により気胸発生の危険性が最も高いのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
深刺による気胸の危険が高い部位を判断する問題です。その経穴の真下に胸膜と肺があるかを考えます。
解説
気胸は、鍼が胸膜を貫いて肺を傷つけ、胸腔に空気が漏れることで生じる、鍼灸の重大な有害事象です。呼吸困難、胸痛、乾性咳嗽が出現し、緊張性気胸に至れば生命に関わります。危険が高いのは、前胸部、側胸部、そして背部の肩甲間部です。
各選択肢の経穴を特定します。
臓会は章門で、側腹部、第11肋骨端下縁にあります。肺の下界より下方であり、深刺で問題となるのは主に肝臓や脾臓の損傷です。
血会は膈兪で、上背部、第7胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分にあります。ここは肩甲間部にあたり、椎骨と肩甲骨の間で肋骨に守られる部分が少なく、皮膚から胸膜・肺までの距離が短い部位です。直刺で深く刺入すれば容易に胸腔に達するため、気胸の危険が最も高いといえます。したがって正答は2です。背部兪穴に刺鍼する際は、深度を浅くとどめる、または斜刺や横刺とするなどの配慮が必要です。
肺の募穴は中府で、前胸部、第1肋間、前正中線の外方6寸にあります。ここも肺が近く気胸の危険がある部位ですが、刺鍼は肩関節方向へ浅く行うのが通例で、直下には大胸筋と小胸筋、さらに肋骨があります。危険部位であることに変わりはありませんが、本問では最も高いものを選びます。
心の募穴は巨闕で、上腹部、前正中線上、臍中央の上方6寸にあります。正中線上の腹部であり、深刺で問題となるのは主に肝臓の損傷です。
選択肢の確認
1.臓会
誤り。章門であり、深刺で問題となるのは主に肝臓や脾臓です。
2.血会
正しい。膈兪であり、肩甲間部で胸膜と肺が近く、気胸の危険が最も高い部位です。
3.肺の募穴
誤り。中府も気胸に注意を要しますが、本問では膈兪が最も危険度が高いものです。
4.心の募穴
誤り。巨闕であり、深刺で問題となるのは主に肝臓です。
覚えるポイント
- 気胸の危険部位=前胸部、側胸部、背部の肩甲間部。
- 膈兪(第7胸椎の高さ、外方1寸5分)は肩甲間部の代表。背部兪穴は深刺を避け斜刺や浅刺に。
- 気胸の症状=呼吸困難、胸痛、乾性咳嗽。疑ったら直ちに施術を中止し医療機関へ。