26PM119|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者の病証に対する治療方針で最も適切なのはどれか。「24歳の男性。主訴は頸から上の痒み。以前からアトピー性皮膚炎による痒みがあったが、症状の変化が激しくなってきた。悪化すると滲出性になる。普段から甘いものを好み、過食すると悪化する。舌苔は白膩、脈は滑。」
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
皮膚疾患を東洋医学的にとらえる症例問題です。滲出性であることと甘いものの過食が同じ方向を指しています。
解説
24歳の男性で、次の所見があります。
頸から上の痒みがあり、以前からアトピー性皮膚炎による痒みがありました。
悪化すると滲出性になるという点が重要です。滲出液が出るのは、水湿が体表に溢れていることを示し、湿邪の関与を強く示唆します。乾燥して落屑するタイプであれば血虚生風や陰虚が考えられますが、本症例は逆です。
甘いものを好み、過食すると悪化するという点も決め手です。甘味と過食は脾を損ない、運化を失調させて湿を生じます。いわゆる内生の湿(内湿)です。
舌苔は白膩で水湿の停滞を、脈は滑で痰湿を示し、いずれも同じ結論を裏づけます。熱の所見(舌質紅、黄苔、数脈)が乏しいため、湿熱よりも脾虚湿盛としてとらえるのが妥当です。
したがって治療方針は、脾の運化作用を高めて湿を化す(健脾化湿)ことであり、正答は2です。取穴では、脾兪、胃兪、中脘、章門、足三里、陰陵泉、豊隆、三陰交などを用い、あわせて甘いものや脂っこいものを控える食生活の指導が重要になります。
他の選択肢を確認します。風寒の邪を除くのは、急性発症で悪寒発熱を伴う外感の場合です。血を養い燥を潤すのは、皮膚が乾燥し落屑するタイプの血虚風燥に対する方針です。血熱を除くのは、発赤が強く熱感を伴い、舌質が紅で脈が数といった血熱の場合の方針です。いずれも本症例の所見とは合いません。
選択肢の確認
1.風寒の邪を除く。
誤り。急性の外感を示す所見はありません。
2.運化作用を高め、湿を化す。
正しい。滲出性の皮疹、甘味の過食、白膩苔、滑脈から脾虚湿盛と判断できます。
3.血を養い、燥を潤す。
誤り。乾燥や落屑が主体の血虚風燥に対する方針です。
4.血熱を除く。
誤り。強い発赤や熱感、舌質紅、数脈といった血熱の所見がありません。
覚えるポイント
- 滲出性の皮疹=湿、乾燥・落屑=血虚や陰虚(燥)、強い発赤・熱感=熱。
- 甘味と過食は脾を損ない、内湿を生む。舌苔白膩と滑脈が裏づけ。
- 方針は健脾化湿。脾兪、中脘、足三里、陰陵泉、豊隆、三陰交+食生活の指導。