26PM122|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例に対して障害部位を走行する経脈の同名経の治療穴で最も適切なのはどれか。「52歳の男性。主訴は膝外側の痛み。最近、趣味である朝のジョギング時に膝外側の痛みを自覚したことから来院。徒手検査でグラスピングサインが陽性であった。」
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
障害部位を経脈に置き換え、さらに同名経を選ぶという2段階の症例問題です。
解説
52歳の男性で、ジョギング時の膝外側の痛みがあり、グラスピングサインが陽性です。
**グラスピングサイン(グラスピングテスト)**は、膝を屈曲位にして大腿骨外側上顆の上方を圧迫し、そのまま膝を伸展させていくと疼痛が誘発される検査で、**腸脛靱帯炎(ランナー膝、腸脛靱帯摩擦症候群)**を示します。長距離走者に多く、膝の屈伸に伴って腸脛靱帯が大腿骨外側上顆の上を前後に移動し、摩擦により炎症を起こすものです。
障害部位は膝の外側です。この領域を走行するのは足の少陽胆経です。胆経は、外眼角から側頭部、体側を下り、大腿外側から膝の外側(膝陽関、陽陵泉)、下腿外側を経て足の第4指に至ります。腸脛靱帯の走行と胆経の走行はほぼ重なります。
次に、同名経を考えます。同名経とは、手と足で同じ名称をもつ経脈の組合せで、太陽なら手の太陽小腸経と足の太陽膀胱経、陽明なら手の陽明大腸経と足の陽明胃経、少陽なら手の少陽三焦経と足の少陽胆経が対応します。同名経は経気が相通じるとされ、遠隔部からの治療に用いられます。
したがって、足の少陽胆経の同名経である手の少陽三焦経の経穴を選びます。選択肢の中で三焦経に属するのは会宗であり、正答は3です。会宗は、前腕後面、尺骨の橈側縁、手関節背側横紋の上方3寸にある三焦経の郄穴で、郄穴として疼痛にも適します。
他の選択肢を確認します。下廉は手の陽明大腸経、大陵は手の厥陰心包経の原穴、少府は手の少陰心経の滎火穴であり、いずれも少陽経ではありません。
選択肢の確認
1.下廉
誤り。手の陽明大腸経の経穴です。
2.大陵
誤り。手の厥陰心包経の原穴です。
3.会宗
正しい。手の少陽三焦経の郄穴で、足の少陽胆経の同名経にあたります。
4.少府
誤り。手の少陰心経の滎火穴です。
覚えるポイント
- グラスピングサイン陽性=腸脛靱帯炎(ランナー膝)。膝外側の痛み。
- 膝外側は足の少陽胆経。同名経は手の少陽三焦経。
- 同名経=太陽(小腸と膀胱)、陽明(大腸と胃)、少陽(三焦と胆)、太陰(肺と脾)、少陰(心と腎)、厥陰(心包と肝)。