26PM128|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者の病態に対し、罹患局所への施術対象となる神経根で最も適切なのはどれか。「40歳の男性。腰椎椎間板ヘルニアを発症し、腰下肢痛がある。患側の母指底屈筋力の低下、アキレス腱反射減弱、足底の知覚鈍麻がみられた。」
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
神経根の高位診断を行う症例問題です。筋力、腱反射、知覚の3つの所見をそろえて判断します。
解説
40歳の男性で、腰椎椎間板ヘルニアによる腰下肢痛があり、次の所見がみられます。
母指の底屈(足趾の屈曲)の筋力低下があります。母趾を屈曲させるのは長母趾屈筋で、支配は脛骨神経(S1からS2)です。ここで注意すべきは、背屈と底屈の区別です。母趾の背屈(伸展)を行う長母趾伸筋はL5が主体であり、L5神経根障害の指標となります。本症例は底屈の低下であるため、S1が疑われます。
アキレス腱反射の減弱があります。アキレス腱反射の反射中枢はS1であり、S1神経根障害の典型的所見です。ちなみに膝蓋腱反射の中枢はL4です。
足底の知覚鈍麻があります。足底から足の外側縁にかけてはS1のデルマトームにあたります。L5は下腿外側から足背、母趾側です。
3つの所見がいずれもS1を指しており、障害神経根はS1神経根と判断できます。正答は4です。腰椎椎間板ヘルニアでは、L5とS1の間(L5からS1椎間)のヘルニアがS1神経根を圧迫することが多く、次いでL4からL5椎間のヘルニアによるL5神経根障害が多くみられます。
なお、両下肢のしびれ、会陰部の知覚障害、膀胱直腸障害がみられる場合は馬尾症候群であり、緊急手術を要することがあるため、直ちに医療機関の受診を勧める必要があります。
選択肢の確認
1.L3神経根
誤り。大腿前面の知覚と膝伸展に関与する高位です。
2.L4神経根
誤り。膝蓋腱反射と下腿内側の知覚に対応します。
3.L5神経根
誤り。母趾の背屈低下と足背・下腿外側の知覚障害が特徴です。
4.S1神経根
正しい。母趾の底屈低下、アキレス腱反射減弱、足底の知覚鈍麻が一致します。
覚えるポイント
- L5=母趾の背屈低下、下腿外側と足背の知覚障害、腱反射に変化が出にくい。
- S1=母趾の底屈低下、アキレス腱反射減弱、足底と足外側の知覚障害。
- 膝蓋腱反射はL4、アキレス腱反射はS1。馬尾症候群は緊急受診が必要。