26PM132|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例に対し、局所治療穴を定めるための徒手検査で陽性になる可能性が最も高いのはどれか。「21歳の男性。大学で水泳部に所属し、専門はフリースタイル。肩の外転、屈曲時に肩前外側に痛みを呈する。」
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
競技特性と症状から肩の障害を推定し、対応する徒手検査を選ぶ問題です。
解説
21歳の男性で、**水泳部でフリースタイル(クロール)**を専門とし、肩の外転、屈曲時に肩前外側に痛みを呈しています。
クロールでは、腕を頭上に振り上げるリカバリーとストロークを繰り返すため、肩関節の外転・屈曲・内旋が反復されます。この動作では、上腕骨大結節と烏口肩峰アーチ(肩峰、烏口肩峰靱帯)との間で、棘上筋腱と肩峰下滑液包が繰り返し挟み込まれます。これが肩峰下インピンジメント症候群であり、水泳選手に多いことからスイマーズショルダーとも呼ばれます。痛みは肩の前外側に出やすく、外転**60度から120度の範囲で痛みが強くなる有痛弧徴候(ペインフルアークサイン)**を伴うことがあります。
インピンジメントテストは、他動的に肩を挙上させたり、内旋位で屈曲させたりして、挟み込みによる疼痛が誘発されるかをみる検査です。ニアテスト(肩甲骨を固定して他動的に前方挙上)やホーキンステスト(肩を90度屈曲位で内旋)が代表です。本症例で陽性となる可能性が最も高く、正答は3です。
他の選択肢を確認します。
イートンテストは、上肢を下方に牽引して症状の変化をみる検査で、**胸郭出口症候群(牽引型)**を評価します。
エデンテストは、胸を張り両肩を後下方に引いた姿勢で橈骨動脈の拍動の減弱をみる検査で、胸郭出口症候群のうち肋鎖症候群を評価します。
リフトオフテストは、手背を腰に当てた位置から手を後方に持ち上げられるかをみる検査で、肩甲下筋(内旋筋)の機能を評価します。
施術では、棘上筋腱と肩峰下滑液包周囲の局所治療に加え、肩甲骨の動きの改善、腱板と肩甲骨周囲筋の強化、フォームの見直しが重要になります。
選択肢の確認
1.イートンテスト
誤り。胸郭出口症候群(牽引型)を評価します。
2.エデンテスト
誤り。胸郭出口症候群のうち肋鎖症候群を評価します。
3.インピンジメントテスト
正しい。肩峰下での挟み込みによる疼痛を評価します。
4.リフトオフテスト
誤り。肩甲下筋の機能を評価します。
覚えるポイント
- 肩峰下インピンジメント症候群=棘上筋腱と肩峰下滑液包の挟み込み。水泳や投球動作に多い。
- 検査=ニアテスト、ホーキンステスト、有痛弧徴候(外転60度から120度)。
- ドロップアームサイン=腱板断裂、リフトオフテスト=肩甲下筋、イートン・エデン=胸郭出口症候群。