26PM133|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す神経麻痺の罹患神経に対して低周波鍼通電療法を行う場合、経穴の組合せとして最も適切なのはどれか。「手背の骨間溝が著明で鈎爪指がみられるが、パーフェクトOは正常であった。」
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
鈎爪指(鷲手)とパーフェクトOが正常という2つの所見から、障害神経を絞り込む問題です。
解説
設問の所見を順に読み解きます。
手背の骨間溝が著明であるのは、背側骨間筋の萎縮により中手骨の間がくぼんで見える状態です。骨間筋は尺骨神経の支配です。
鈎爪指(鷲手、鉤爪変形)は、中手指節関節が過伸展し、指節間関節が屈曲する変形で、虫様筋と骨間筋の麻痺により生じます。特に環指と小指に強く現れます。これも尺骨神経麻痺の典型所見です。
パーフェクトO(母指と示指できれいな輪をつくる動作)が正常であることは重要です。この動作には長母指屈筋と深指屈筋の示指の部が必要で、これらは**正中神経(前骨間神経)**の支配です。正常であることから、正中神経は障害されていないと判断できます。
以上より、罹患神経は尺骨神経です。
低周波鍼通電療法では、尺骨神経の走行や罹患筋に沿った経穴を選びます。尺骨神経は上腕内側を下り、**肘の内側上顆と肘頭の間(肘部管、尺骨神経溝)**を通り、前腕尺側を下行して手関節のギヨン管に至ります。
小海は、肘後内側、肘頭と上腕骨内側上顆の間の陥凹部にあり、まさに尺骨神経溝の部です。支正は、前腕後内側、尺骨内縁と尺側手根屈筋の間、手関節背側横紋の上方5寸にあり、前腕尺側で尺骨神経の走行に近接します。したがって組合せとして最も適切であり、正答は4です。
他の選択肢を確認します。偏歴-曲池はいずれも大腸経で橈骨神経の領域、太淵-孔最は肺経で前腕前外側、内関-郄門は心包経で正中神経の領域です。
なお、通電にあたっては心臓ペースメーカー装着者には行わないこと、通電経路が心臓を横切らないようにすることなどの安全上の配慮が必要です。
選択肢の確認
1.偏歴-曲池
誤り。大腸経であり橈骨神経の領域です。
2.太淵-孔最
誤り。肺経であり、尺骨神経の走行ではありません。
3.内関-郄門
誤り。心包経であり正中神経の領域です。
4.支正-小海
正しい。小腸経であり、尺骨神経溝と前腕尺側の走行に一致します。
覚えるポイント
- 尺骨神経麻痺=鷲手(鈎爪指)、骨間筋の萎縮、フローマン徴候。
- パーフェクトOができない=前骨間神経(正中神経)麻痺。本症例は正常なので正中神経は健常。
- 尺骨神経の走行=肘部管(小海)から前腕尺側(支正)、ギヨン管(神門付近)。