26PM137|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「69歳の男性。主訴は頻尿。一晩に2、3回トイレに行く。泌尿器科で過活動膀胱と診断された。舌診では舌根部の舌苔が厚く、腹診では下腹部の軟弱がみられた。脈診では左尺中の沈が虚であった。」本疾患の排尿に関する症状で最も適切なのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
過活動膀胱の症状を問う問題です。蓄尿症状か排出症状かで分けて考えます。
解説
下部尿路の症状は、大きく蓄尿症状と排出症状、そして排尿後症状に分けられます。
蓄尿症状は、尿をためている間に起こる症状で、頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、切迫性尿失禁が含まれます。
排出症状は、排尿するときに起こる症状で、排尿開始の遅れ(遷延性排尿)、尿線が細い、排尿時間の延長(苒延性排尿)、腹圧をかけないと出ない、尿線の途切れが含まれます。
排尿後症状には、残尿感や排尿後尿滴下があります。
過活動膀胱は、蓄尿期に排尿筋が不随意に収縮することで生じる症候群で、尿意切迫感を必須症状とし、これに頻尿や夜間頻尿、しばしば切迫性尿失禁を伴います。したがって、本疾患の排尿に関する症状として最も適切なのは尿意切迫であり、正答は3です。
一方、残尿感、遷延性排尿、苒延性排尿は、いずれも膀胱出口の閉塞や排尿筋の収縮力低下によるもので、前立腺肥大症などの下部尿路閉塞で典型的にみられます。69歳の男性という背景から前立腺肥大症も鑑別に挙がりますが、設問では過活動膀胱と診断されているため、その症状を選びます。
なお、本症例は東洋医学的には、下腹部の軟弱と左尺中の沈が虚という所見から**腎虚(腎気の固摂低下)**としてとらえられ、舌根部の舌苔が厚いことから下焦の湿の停滞もうかがえます。
選択肢の確認
1.残尿感
誤り。排尿後症状であり、下部尿路閉塞などでみられます。
2.遷延性排尿
誤り。排尿開始の遅れであり、排出症状です。
3.尿意切迫
正しい。過活動膀胱の必須症状です。
4.苒延性排尿
誤り。排尿時間の延長であり、排出症状です。
覚えるポイント
- 蓄尿症状=頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、切迫性尿失禁。過活動膀胱はここに含まれる。
- 排出症状=遷延性排尿、苒延性排尿、尿線細小、腹圧排尿。前立腺肥大症などで典型的。
- 過活動膀胱は尿意切迫感が必須。腎虚では腰のだるさ、夜間尿、沈細脈を伴いやすい。