26PM139|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「36歳の女性。締め付けの強い下着をはくようにしたところ、最近、太ももの外側部に痛みとしびれが起こったので来院した。運動麻痺はない。MRIでは腰椎の異常はなかった。」本症例の障害神経はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
外側大腿皮神経の絞扼を見抜き、その起始と走行を選ぶ症例問題です。運動麻痺がないことが重要な手がかりです。
解説
36歳の女性で、締め付けの強い下着を着用したところ、太ももの外側部に痛みとしびれが生じ、運動麻痺はなく、MRIで腰椎の異常もないという経過です。
運動麻痺がないことから、障害されているのは純粋な知覚神経です。腰椎に異常がないことから、神経根の問題ではなく、末梢での絞扼が考えられます。大腿外側部の知覚を担う純知覚性の神経は外側大腿皮神経であり、この絞扼による病態が**感覚異常性大腿神経痛(メラルジア・パレステティカ)**です。
外側大腿皮神経は、第2・第3腰神経(L2からL3)の前枝から起こり、腰神経叢の枝として大腿神経の外側を走ります。大腰筋の外側縁から出て、腸骨筋の前面(大腰筋と腸骨筋の間)を斜め外側下方に走り、上前腸骨棘の内側で鼠径靱帯の下(筋裂孔の外側部)を通って大腿に出て、大腿外側の皮膚に分布します。したがって正答は2です。
絞扼の原因としては、きつい下着やベルト、コルセット、肥満、妊娠、長時間の立位などが挙げられます。原因となる圧迫を取り除くことが治療の基本です。
他の選択肢が示す神経を確認します。
「第1・第2腰神経から起こり、大腰筋を貫く神経」は陰部大腿神経で、鼠径部と陰部、大腿前面上部の皮膚を支配します。
「第4・第5腰神経および第1・第2・第3仙骨神経から起こり、梨状筋下孔を通過する神経」は坐骨神経で、人体最大の神経です。
「第2・第3・第4腰神経から起こり、筋裂孔を通過する神経」は大腿神経で、腸腰筋、大腿四頭筋、縫工筋を支配し、大腿前面と下腿内側の知覚を担います。運動枝を含むため、麻痺があれば膝の伸展障害が生じます。
選択肢の確認
1.第1・第2腰神経から起こり、大腰筋を貫く神経
誤り。陰部大腿神経です。
2.第2・第3腰神経から起こり、大腰筋と腸骨筋の間を斜め外側下方に走る神経
正しい。外側大腿皮神経の起始と走行に一致します。
3.第4・第5腰神経および第1・第2・第3仙骨神経から起こり、梨状筋下孔を通過する神経
誤り。坐骨神経です。
4.第2・第3・第4腰神経から起こり、筋裂孔を通過する神経
誤り。大腿神経です。
覚えるポイント
- 外側大腿皮神経=L2からL3、純知覚性。絞扼で感覚異常性大腿神経痛。
- 走行=大腰筋外側縁→腸骨筋前面→上前腸骨棘の内側で鼠径靱帯の下を通って大腿外側へ。
- 大腿神経=L2からL4、筋裂孔、坐骨神経=L4からS3、梨状筋下孔、陰部大腿神経=L1からL2、大腰筋を貫く。