26PM142|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
経穴と深刺により損傷するリスクがある臓器との組み合わせで正しいのはどれか。
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正解: 1 または 2
正答
1、2
この問題のポイント
経穴の深部にある臓器を問う、安全管理の問題です。その部位の真下に何があるかを解剖学的に考えます。この問題は正答が2つあります。
解説
深刺による内臓損傷は、鍼灸の重大な有害事象です。取穴の際には、その部位の深部に何があるかを常に意識する必要があります。
右梁門と肝臓の組合せは正しいものです。梁門は、上腹部、臍中央の上方4寸、前正中線の外方2寸にあります。中脘の外方2寸にあたる位置です。肝臓は右季肋部から心窩部にかけて位置し、その下縁は右季肋部から心窩部に及ぶため、右側の梁門を深く刺入すれば肝臓を損傷する危険があります。特にやせた人や、肝腫大がある場合には注意が必要です。
右陽綱と肺の組合せも正しいものです。陽綱は、上背部、第10胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸にあります。背部では、肺の下界(下縁)は呼気時でおよそ第10胸椎の高さ、深吸気時にはさらに下方に移動します。また胸膜の下界(肋骨横隔洞)はそれよりさらに下方に及びます。したがって、この高さでも深刺すれば胸膜を貫き肺を損傷して気胸を起こす危険があり、正しい組合せとなります。背部は「下の方だから安全」と考えず、胸郭のある高さでは常に気胸に注意することが重要です。
右大横と腎臓の組合せは誤りです。大横は、上腹部、臍中央の外方4寸にあります。腹部の前面外側にあたり、深部にあるのは主に**結腸(横行結腸から下行結腸、上行結腸)**などの消化管です。腎臓は後腹壁に位置し、第12胸椎から第3腰椎の高さで、より背側かつ上方にあります。したがって大横の深部に腎臓があるとはいえません。
右欠盆と心臓の組合せも誤りです。欠盆は、前頸部、大鎖骨上窩、前正中線の外方4寸、鎖骨上方の陥凹部にあります。この深部にあるのは肺尖、鎖骨下動脈・静脈、腕神経叢です。心臓は縦隔内にあり、左第2から第5肋間の範囲にあります。したがって欠盆の深部が心臓ということはなく、注意すべきは気胸と神経・血管の損傷です。
選択肢の確認
1.右梁門-肝臓
正しい組合せ。上腹部右側の深部に肝臓があり、深刺で損傷の危険があります。
2.右陽綱-肺
正しい組合せ。第10胸椎の高さでも胸膜と肺が近く、深刺で気胸の危険があります。
3.右大横-腎臓
誤り。大横の深部は主に結腸であり、腎臓はより背側かつ上方にあります。
4.右欠盆-心臓
誤り。欠盆の深部は肺尖、鎖骨下動静脈、腕神経叢です。
覚えるポイント
- 梁門(臍上4寸、外方2寸)の右側は肝臓、左側は胃が近い。
- 背部兪穴や陽綱など胸郭の高さは気胸に注意。肺の下界は呼吸で大きく移動する。
- 欠盆の深部は肺尖、鎖骨下動静脈、腕神経叢。大横の深部は結腸。