26PM146|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
鍼刺激による筋血流の増加に直接関与しないのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
鍼刺激による筋血流増加の機序を問う問題です。血管を拡げる物質か、痛みを抑える物質かで分けます。
解説
鍼刺激により筋血流が増加する主な機序は、軸索反射と自律神経活動の調節です。
鍼がポリモーダル受容器を興奮させると、軸索反射により神経終末から神経ペプチドが遊離されます。
サブスタンスPは、血管拡張と血管透過性の亢進を起こし、また肥満細胞からのヒスタミン遊離を促して血流を増やします。
**CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)**は、最も強力な血管拡張作用をもつ神経ペプチドの一つで、局所の血流増加に中心的な役割を果たします。
**血管作動性腸ペプチド(VIP)**は、副交感神経性の血管拡張線維などに含まれ、血管平滑筋を弛緩させて血流を増加させます。
これらに加えて、血管内皮から産生される一酸化窒素(NO)も血管拡張に働き、また交感神経活動の抑制によって血管収縮が解除されることも血流増加に寄与します。
一方、**オピオイドペプチド(エンケファリン、ベータエンドルフィン、ダイノルフィン)**は、内因性の鎮痛物質です。脊髄後角や中脳中心灰白質、下垂体などで作用し、痛覚の伝達を抑制して鎮痛をもたらします。鍼鎮痛の重要な機序ですが、筋血流の増加に直接関与するものではありません。したがって正答は3です。
このように、鍼の効果は鎮痛に関わる系と血流に関わる系があり、関与する物質を混同しないよう整理しておくことが大切です。
選択肢の確認
1.サブスタンスP
関与する。軸索反射により遊離され血管を拡張します。
2.CGRP
関与する。強力な血管拡張作用をもちます。
3.オピオイドペプチド
関与せず、これが正答。内因性の鎮痛物質です。
4.血管作動性腸ペプチド
関与する。血管平滑筋を弛緩させ血流を増加させます。
覚えるポイント
- 血流増加に関わる=サブスタンスP、CGRP、VIP、一酸化窒素、交感神経活動の抑制。
- 鎮痛に関わる=内因性オピオイド、下行性痛覚抑制系(セロトニン、ノルアドレナリン)。
- 軸索反射=細径線維の逆行性伝導→神経ペプチド遊離→血管拡張。