26PM157|第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
温度覚について正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
温度覚の受容器、伝導線維、伝導路を問う問題です。深部感覚の経路との違いが判断の分かれ目になります。
解説
各選択肢を検討します。
温受容器の形態については、温覚と冷覚の受容器はいずれも自由神経終末であり、パチニ小体やマイスネル小体のような特定の被包構造をもちません。したがって「特定の受容器構造をもつ」は誤りです。なお、被包型の受容器をもつのは触圧覚や振動覚です。
伝導する線維については、冷覚は主にAデルタ線維(Ⅲ群)、**温覚は主にC線維(Ⅳ群)**が伝えます。熱刺激(熱痛を含む)も細径線維であるAデルタとCが伝えます。**Ⅱ群線維(Aベータ)**は触圧覚を伝える太い線維であり、温度覚の伝導は担いません。したがって誤りです。
二次求心性ニューロンの細胞体の位置については、温度覚と痛覚の一次ニューロンは後根から脊髄に入り、脊髄後角で二次ニューロンにシナプスを作ります。**延髄の後索核(薄束核と楔状束核)**で乗り換えるのは、**識別性触圧覚と深部感覚(後索-内側毛帯路)**です。したがって誤りです。
伝導路の交叉については、温度覚と痛覚の二次ニューロンは、脊髄後角で乗り換えた後、その高さまたは1から2分節上方で正中を交叉し、反対側の前側索(外側脊髄視床路)を上行します。そして視床を経て**大脳皮質の体性感覚野(中心後回)**に至ります。したがって、右下肢の熱刺激の興奮は左の大脳皮質に伝わるという記述は正しく、正答は4です。
この交叉の位置の違いは、**脊髄半側切断(ブラウン・セカール症候群)**で、障害側に深部感覚障害と運動麻痺、反対側に痛覚・温度覚の障害が現れることの説明にもなります。
選択肢の確認
1.温受容器の形態は特定の受容器構造をもつ。
誤り。自由神経終末であり、被包構造をもちません。
2.熱刺激による興奮はⅡ群線維によって伝達される。
誤り。Ⅲ群(Aデルタ)とⅣ群(C)が伝えます。
3.2次求心性ニューロンの細胞体は延髄の後索核にある。
誤り。脊髄後角にあります。後索核は深部感覚の経路です。
4.右下肢の熱刺激の興奮は左の大脳皮質の体性感覚野に伝わる。
正しい。脊髄で交叉して反対側を上行します。
覚えるポイント
- 温度覚と痛覚の受容器は自由神経終末。冷覚はAデルタ、温覚はC線維。
- 経路=後角で乗り換え→すぐ交叉→前側索(外側脊髄視床路)→視床→中心後回。
- 深部感覚は同側の後索を上行→延髄の後索核で乗り換え→交叉して内側毛帯。